妄想性パーソナリティ障害とは?特徴など全パーソナリティ障害を把握している筆者が解説 – Mistory[ミストリー]
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妄想性パーソナリティ障害とは?特徴など全パーソナリティ障害を把握している筆者が解説

みなさんは妄想性パーソナリティ障害という言葉を聞いたことがあるでしょうか。また、聞いたことがあるとしても正しい意味や特徴を明確に言えるでしょうか。このごろ、多様化社会の重要さが説かれ、パーソナリティ障害について知っている人も増えてきました。しかし、正しい意味や治療法などは知られていないのが現状です。

本記事ではさまざまなパーソナリティ障害の中でも妄想性パーソナリティ障害の特徴について全パーソナリティ障害を把握している筆者が解説します。しっかりと特徴を把握し、多様化社会を実現していきましょう。また、特徴に多く当てはまった方はしっかりと治療をおこなっていきましょう。

パーソナリティ障害とは

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そもそもパーソナリティ障害とはそのような症状のことを指しているのでしょうか。パーソナリティ障害は厚生労働省によってしっかりと定義されています。以下の定義を確認し、どういった場合にパーソナリティ障害となるのか知っておきましょう。

パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。認知(ものの捉え方や考え方)、感情のコントロール、対人関係といった種々の精神機能の偏りから生じるものです。「性格が悪いこと」を意味するものではありません。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。それらの精神疾患が前面に出ることが多いことから、パーソナリティ障害は、背後から悪影響を及ぼす黒幕のような障害とも言えます。

(引用:厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_personality.html)

要約すると、パーソナリティ障害は一般の人と考え方や認知が異なり、周囲の人に迷惑がかかったり自分が苦しむことを指します。考え方や認知の方法は性格として見られることも多く、自分で自覚することは非常に難しいものです。本当にパーソナリティ障害かどうかは専門機関での診断が必要になります。

パーソナリティ障害になる原因ですが、現在でもしっかりと判明していないのが現状です。現在は生まれつき、幼少期の環境の2点からなっているという説が有力だとされています。原因が分かっていないので事前の対策は非常に難しい症状なのです。

また、パーソナリティ障害は一般の人との異なり方によって以下の様に種類が分類されています。

1. 妄想性パーソナリティ障害
2. シゾイドパーソナリティ障害
3. 統合失調症パーソナリティ障害
4. 反社会性パーソナリティ障害
5. 境界性パーソナリティ障害
6. 縁起性パーソナリティ障害
7. 自己愛性パーソナリティ障害
8. 回避性パーソナリティ障害
9. 依存性パーソナリティ障害
10. 強迫性パーソナリティ障害

それぞれがどのような特徴を持つのか知りたい方は以下の記事を確認してみましょう。こちらのはそれぞれパーソナリティ障害の概要について解説している記事です。

今回は10種類あるパーソナリティ障害の中から妄想性パーソナリティ障害のみについて詳しく解説します。

妄想性パーソナリティ障害とは

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妄想性パーソナリティ障害は一言でまとめると、他者が自分を攻撃しようとしていると妄想を抱いてしまうパーソナリティ障害です。

他人が自分を攻撃しようとしていると思っていると人間関係に悪いことは容易に分かると思います。人間関係が築けないことから仕事などの生活面に悪影響を与え、自分の精神も傷つけてしまうのです。

こちらのパーソナリティ障害は米国において2~4%の割合で発症していることが分かっています。日本における割合のデータは分かっていませんが、極端に珍しいものではないと予想が出来ますね。より具体的な例は以下の通りです。

38歳、男性。若い頃から職場でトラブルを起こし、長く仕事が続かずにきました。同僚に仕事の進み具合を尋ねられると、「どうせできないと思ってバカにしている」と憤慨し、上司がアドバイスをしても「嘘をついて自分を陥れ、首にしようとしている」と受け取り、その妄想を口にしてはけんかになっていました。過去に恋人がいたこともありますが、一緒にいる時間以外の行動を逐一報告させ、他の男性と会っていないかをしつこく詮索したために破局しました。いつしかアルコール依存症となり、精神科クリニックを受診すると「妄想性パーソナリティー障害」と診断されました。

(引用:ハートクリニック,https://www.e-heartclinic.com/kokoro-info/special/personality_2.html)

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