本記事ではさまざまなパーソナリティ障害の中でも依存性パーソナリティ障害の特徴について全パーソナリティ障害を把握している筆者が解説します。しっかりと特徴を把握し、多様化社会を実現していきましょう。また、特徴に多く当てはまった方は依存性パーソナリティ障害とならないためにしっかりと対策・治療をおこなっていきましょう。
パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんだり、周囲が困ったりする場合に診断されます。認知(ものの捉え方や考え方)、感情のコントロール、対人関係といった種々の精神機能の偏りから生じるものです。「性格が悪いこと」を意味するものではありません。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。それらの精神疾患が前面に出ることが多いことから、パーソナリティ障害は、背後から悪影響を及ぼす黒幕のような障害とも言えます。
(引用:厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_personality.html)
要約すると、パーソナリティ障害は一般の人と考え方や認知が異なり、周囲の人に迷惑がかかったり自分が苦しむことを指します。パーソナリティ障害は性格と非常に見分けがつきにくく、自分で自覚することは非常に難しいものです。ですので、本当にパーソナリティ障害かどうかは専門機関での診断が必要になります。
パーソナリティ障害になる原因ですが、現在でもしっかりと判明していないのが現状です。現在は生まれつき、幼少期の環境の2点からなっているという説が有力だとされています。
パーソナリティ障害は一般の人との異なり方によって種類が分別され、具体的な分類は以下の通りです。
1. 妄想性パーソナリティ障害
2. シゾイドパーソナリティ障害
3. 統合失調症パーソナリティ障害
4. 反社会性パーソナリティ障害
5. 境界性パーソナリティ障害
6. 縁起性パーソナリティ障害
7. 自己愛性パーソナリティ障害
8. 回避性パーソナリティ障害
9. 依存性パーソナリティ障害
10. 強迫性パーソナリティ障害
それぞれがどのような特徴を持っているか気になった方は以下の記事を確認してみましょう。こちらはそれぞれのパーソナリティ障害の概要に関する記事です。本記事ではこの10種類のパーソナリティ障害の中から依存性パーソナリティ障害について解説します。
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依存性パーソナリティ障害とは
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依存性パーソナリティ障害は一言でいうと、他人に自分の全てを任せようとするパーソナリティ障害です。一見すると依存先の人が嫌がっていなければ問題がないように思えます。しかし、依存性パーソナリティ障害であると自分への自信を無くしてしまい、うつ病、不安症、アルコール依存症などを併症してしまうことも多いです。
割合としては米国の調査によると約1%ほどが依存性パーソナリティ障害だと言われています。1%というと100人に1人の割合であるため極端にいないわけではありません。以下の具体例で具体的なイメージをつかんでおきましょう。
24歳女性。1年前から付き合っている恋人がおり、彼がいなくては何もできないと信じています。その日着ていく服は何がいいか、食事は何をとればいいか、休日は何をして過ごすかなど、何でもかんでも恋人の意見を聞いて、それに従います。自分は能力がないと信じており、とにかく一人でいることが不安で、仕事中も頻繁に彼にメールを送ります。その恋人が酒に酔って暴力的になっても離れようとせず、別れを切り出されるとしがみついて泣き出します。今の恋人と付き合う直前までは、別の男性に同様の依存行動をとっていました。
(引用:ハートクリニック,https://www.e-heartclinic.com/kokoro-info/special/personality_8.html)