人生の悩み

生理で情緒不安定になる?落ち込む?7つの対処法をメンタルヘルスに詳しい筆者が解説!

「生理になると心が落ち着かない…」「生理中はイライラや悲しみが押し寄せる…」そんな女性は少なくないでしょう。腹痛や倦怠感などの体の不調に加えて、心まで不安定になるのが生理に伴う不調の一般的な症状です。今回は、そんな生理中のメンタルをケアする方法をメンタルヘルスに詳しい筆者が解説します。生理中でも無理なく挑戦できる方法をまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

生理中に情緒不安定になる?泣く・気分が落ち込むのは普通?

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生理中に情緒不安定になったり、気分が落ち込んだりすることは一般的なメンタルの症状です。中には生理前や生理中でも特段変化が見られないという人もいますが、多くの人は不安定な心の状態を実感しやすくなるでしょう。このメンタル状態は、生理の周期に合わせて女性ホルモンである『エストロゲン』と『プロゲステロン』の分泌量が変化することで生じやすくなります。

メンタルの不安定な状態が続き、涙が出る・イライラする・やる気が出ないなど、さまざまな気分の変化が起こりやすくなるのです。約7割の女性が経験するといわれる一般的な症状なので、深刻に悩みすぎる必要はありませんよ。

生理前・生理中にメンタルが不安定になる仕組み

生理前・生理中にメンタルが不安定になるのは、月経に伴い女性ホルモンの分泌量が変化するためです。生理は、卵胞ホルモンである『エストロゲン』と黄体ホルモンである『プロゲステロン』の2つの女性ホルモンの働きによって生じます。そして詳しいことは研究中ですが、『プロゲステロン』の作用によってさまざまな心身の不調が発生すると考えられているのです。

プロゲステロンは、子宮内膜を受精しやすい状態へと整える女性ホルモン。食欲増進・腸活動の抑制・水分排出の抑制・体温上昇などの変化をもたらします。そして神経にも作用し、イライラや不安感、情緒不安定などのメンタル症状を引き起こしてしまうのです。

生理のメカニズムからホルモンの動きを把握するのがおすすめ

まず月経周期が卵胞期に突入するとエストロゲンの分泌量が増し、子宮内にある子宮内膜が厚くなるのが、生理の通常のプロセス。この内膜は受精卵が着床するベッドの働きを担います。やがてエストロゲンの分泌量が最高値に達すると排卵が始まるのです。

その後、卵子を放出した卵胞は黄体という組織へと変わり、プロゲステロンを分泌。ここまでの過程で妊娠が成立する状態が整いますが、妊娠が成立しなかった場合は作り上げられた子宮内膜が剥がれ落ち、経血となって体の外に排出されます。この一連の体内現象が生理・月経と呼ばれるものです。

この生理のメカニズムを把握し「現在の自分の体にはどのホルモンが分泌されているのか」を認識してみてください。ホルモンの分泌タイミングがわかれば、事前に対策をしたり落ち込みを深刻に捉えすぎないようにしたりできるはずです。

生理前・生理中はひどいイライラ・ネガティブにも注意

生理前・生理中には、情緒不安定だけでなく、強いイライラ感やネガティブ思考に囚われやすくなるともいわれています。このメンタルの症状に関しても女性ホルモンが大きく関わっているため、意思だけでコントロールすることは難しいでしょう。特に生理前はエストロゲンの低下に伴うセロトニン・ギャバの低下が引き起こされます。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ、ギャバも副交感神経を優位に働かせて穏やかな精神を働きを持っている物質。

つまり生理前は、このセロトニン・ギャバが体内で低下することで、イライラやネガティブな思考が起こりやすくなってしまうのです。生理中もホルモンバランスが乱れているので、引き続きメンタルの不調を感じやすいでしょう。

生理前・生理中に落ち込むメンタルをケアする対処法7つを紹介

ここからは、生理前・生理中に落ち込むメンタルをケアする対処法を紹介します。毎月しっかり対策を行い、生理前・生理中のメンタルを労ってあげましょう。メンタルが安定しやすくなれば、生理前・生理中でも心地よく過ごせるようになるはずです。

1:休息を取れるように工夫する

まず生理前・生理中はホルモンバランスで心も体も不調になりやすいもの。スケジュールを詰め込んだり、仕事をたくさんこなしたりせず、休息を取れるように工夫しましょう。しっかりと体を休めることで、心も自然と休まります。完全に休める日を作っておくと、思い切り羽を伸ばせるはずです。ただでさえホルモンバランスで負担を背負っているメンタルに、追加で重荷を背負わせないようにゆったり過ごしてみてください。

2:温かいもの積極的に取り入れる

生理中は、温かい食べ物やアイテムで体の冷えを予防しましょう。月経期間は基礎体温が下がり、子宮内膜から分泌される『プロスタグランジン』という成分の働きによって血行も悪くなります。そのため、体が普段よりも冷えやすくなっているのです。体が冷えると血行はより悪くなり、子宮の筋肉は固まってしまいます。そして体が冷えた状態が続くと、子宮内膜が体外にうまく排出できなくなり、プロスタグランジンの分泌量が増加する恐れがあるのです。プロスタグランジンが増えると生理痛がひどくなったり、緊張でメンタルが不安定になっているので注意してくださいね。

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