心や体

後回しにしてしまうのは病気?先延ばし癖の対処法5つとデメリットを心理学に詳しい筆者が解説!

『先延ばし癖』にはメリットもある?活かす方法とは?

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実はデメリットが目立つ『先延ばし癖』には、「創造性を高める」というメリットがあるという説も浮上しています。ビジネスコンサルティング企業の創業者であるレイチェル・クック氏は、「先延ばしが利益につながることもある」と主張していることも話題となりました。

 

 

ペンシルベニア大学でも先延ばしの利点が認められた

ペンシルベニア大学のウォートン校心理学部に所属するアダム・グラント教授によれば、「想像力を必要とするクリエイティブな作業には、先延ばし癖が必要になるケースがある」とされています。この発言は、グラント教授は参加者に新事業を考える課題を与え、先延ばしをするグループと先延ばしをしないグループに分けてそれぞれの独創性・利便性をチェックする実験に基づくもの。

グラント教授は実験から、「適度に先延ばしをしたグループは、先延ばしをしなかったグループよりもクリエイティビティに優れた結果を出す」という事実を導き出したのです。つまりとんでもない先延ばしは命取りになりますが、適度な先延ばしは創造力の刺激材料になり得るといえます。この結果は、先延ばしによるランダムな思考がまとまった結果だと考えられるそうです。

参考:The surprising habits of original thinkers

心理療法士のアンナ・ホーゲランド氏も先延ばしの利点を認める

心理療法士で作家としても活躍しているアンナ・ホーゲランド氏も、「悪い癖である先延ばしには大きな利点もある」としています。ホーゲランド氏は自身の執筆体験を通し、「決まった時間にし強制的に集中して出力することにプレッシャーを感じる」と延べ、先延ばし癖で余裕を作ることに利点を見出したのです。実際にホーゲランド氏は先延ばしで時間と心に余裕を作ることで、自然と試筆を進められたと主張しています。もちろん人それぞれのタイプや性格によりますが、適度な先延ばしはプレッシャーの回避に有効だと考えられるようです。

参考:Anna Hogeland on the Rewards of Procrastination

『先延ばし癖』はクリエイティブな偉人に共通する

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生産性の低下や心身への負担など、さまざまなデメリットがある『先延ばし癖』ですが、多くのクリエイティブな偉人に共通するものでもあるという説があります。その中でも有名なのが、画家や発明家として活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチです。レオナルド・ダ・ヴィンチは、かの有名な絵画『モナ・リザ』の作業に、16年もの歳月をかけたといわれています。これに関してレオナルド・ダ・ヴィンチは「自分をできが悪いと感じる」と記しているそうです。しかしこの先延ばし、熟考する時間・試行錯誤・新たな道を見つけるきっかけとして役に立ちました。

つまり先延ばし癖は多数のデメリットを抱えていますが、創造性をあらゆる面から刺激する良い材料にもなり得るのです。

『先延ばし癖』にはデメリットとメリットがある!うまく活用してみよう

『先延ばし癖」は、焦りや不安、仕事や課題のクオリティ低下を引き起こす厄介な癖です。あらゆる研究や実験においてもそのデメリットは証明されており、治すのに越したことはありません。基本的には人生を破滅へ導く爆弾のような危険なものです。しかし「適度な先延ばし」には、創造力を刺激するメリットが認められています。そのため難しいことではありますが、先延ばし癖がある場合は改善しつつも適度にそのメリットを活用するのが1番良いといえるでしょう。先延ばし癖に悩んでいる人は、本記事のメリット・デメリット、改善方法を参考に、ぜひ自分の先延ばし癖と向き合ってみてくださいね。

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