心や体

後回しにしてしまうのは病気?先延ばし癖の対処法5つとデメリットを心理学に詳しい筆者が解説!

「何事も後回しにしてしまう」「ギリギリまで課題や仕事が手につかない」そんな悩みを抱えている人は少なくありません。実はこの悩みは、性格や脳に由来していると言われていることを知っていますか?今回はそんな先延ばし癖の対処法を5つ、心理学に詳しい筆者が解説します。物事を後回しにしていつもスケジュールが大変なことになったり、大切なことがうまくいかなかったりする人はぜひ参考にしてみてください。

なんでも後回しにしてしまう『先延ばし癖』は病気?心理的要因?

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やらなくてはならない物事を後回しにしてしまう先延ばし癖は、心理学の分野では『先延ばし症候群(PCN症候群)』という名前で呼ばれている立派な心理的症状の1つです。これは明確な理由やトラブルがないのに、期限までに課題や仕事を進められないもので、重症であれ軽症であれ多くの人がこの症状に悩んでいます。実際に米国のデポール大学の研究では、成人の5人に1人は「日常的な先延ばし癖がある」と自覚しているそうです。

ただ原因は心理的なものから脳の構造的なものまであり、すべての先延ばし癖の原因を一概に決定づけることは難しいでしょう。先延ばし癖だけで医療機関を受診する人は多くないため、原因を特定できている人は少ないのが現状です。

後回しが多い『先延ばし癖』はうつ病が原因?

先延ばし癖は、うつ病が原因で引き起こされる症状の1つでもあります。不安やストレスを感じやすいうつ病になると、終わらせるべき作業へ思うように取り組むことができない場合があるようです。うつ病によって判断力や行動力が落ちるため、計画的かつ素早くタスクをこなすことが難しくなりやすいことが先延ばしを誘発する恐れがあります。また、反対に先延ばし癖がうつ病を引き起こすこともあるといわれているので要注意。先延ばし癖によって生じる焦りやストレスにより、徐々に心が病んでしまうのです。そのため、もとから先延ばし癖がある場合は、うつ病に発展しないように注意する必要があります。

後回しが多い『先延ばし癖』はADHDじゃない?診断できる?

先延ばし癖は、ADHDの人に現れやすい症状としても知られています。待ち合わせ時間・支払い期限・毎日の家事など、やるべきことに手をつけられないことが多いようです。これはADHDの衝動性によるもので、思い立ったこと・やりたいと頭に浮かんだことから先に手をつけてしまうから。さらに、ADHDは情報の処理に時間がかかることもあり、純粋に作業が遅れることもあります。ADHDは医療機関を受診することで診断できるので、気になる場合は診断を受けてみましょう。自分がADHDかどうかを知ることは、先延ばし癖の改善方法見つける第1歩となります。

後回しにする人の特徴とは?

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物事を後回しにしてしまう先延ばし癖を持つ人は、楽観的・めんどくさがり・怖がり・衝動的などの特徴を持っています。さまざまな性格や考え方が複合し、物事に取り掛かるスピードが遅れてしまうようです。特に騒動性が強い人は計画的な行動が苦手で、先延ばし癖がひどくなりやすいとされています。また、優柔不断で恐怖心を抱きやす人も、さまざまなことを考えるうちに物事を先延ばしにしやすいそうです。失敗を予測して恐れたり、物事をスムーズに決定できなかったりすることが先延ばし癖につながってしまいます。

後回しにする人の特徴の例

  • 楽観的
  • 衝動的
  • 優柔不断
  • 注意力が散漫
  • 回避欲求が強い
  • めんどうくさがり
  • 自己肯定感が低い
  • 効率を重視しすぎる
  • 恐怖心を持ちやすい

後回しが治った?ひどい「先延ばし癖」の対処法5つ

ここからは、先延ばし癖を改善へ導く対処法を紹介します。先延ばし癖に悩んでいる人や、先延ばし癖と上手く付き合っていきたい人はぜひ参考にしてみてください。

1:締め切りを2段階で設定

先延ばし癖がひどい場合は、複数の締め切りを設定してみましょう。タスクを先延ばしにしてしまう行動は、締め切りまでの余裕によって生じることがしばしば。そのため、少し早めの締め切りと、締め切り当日の2つで予定を組んでみてください。早めの締め切りに合わせて行動することで、締め切り当日に間に合いやすくなります。

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