今回は、そんな地獄に落ちないために今世で行えるいくつかの方法をスピリチュアル好きの筆者が詳しく解説していきます!死後の世界を信じている方や、今世で徳を積みたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも地獄とはどんな場所?
まずみなさんは地獄と聞いてどのような場所を想像しますか?日本人の私たちは、棘の山や血の沼などが広がる仏教らしい地獄を想像することが多いでしょう。実際に仏教が説いている地獄は、鬼の獄卒が支配する8つの地獄があり、各地獄には囚人を拷問するための炎や山岳などが存在します。本や彫刻で見る通りの世界ですよね。
基本的に地獄は生前に各宗教で定められた掟を破り、善を積まなかった魂が死後に向かう場所です。極楽浄土の対極にある存在で、神様の救いを得ることもできないと言われています。輪廻転生が存在する宗教にいおても地獄は異質で、地獄にいる間は生まれ変わることもできず、途方もない期間にわたる罰を受け続けることになるのです。
各宗教における地獄の概念
ここからは、各宗教で説かれている地獄の概念について解説していきます。日本は無宗教の方が多いですが、世界の宗教で地獄がどのような位置付けであるかを知るのもスピリチュアル的な勉強になりますよ!
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仏教の地獄
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まずは私たち日本人に最も身近な「仏教」における地獄を確認してみましょう。仏教では、死後に人の魂はいくつかの神様の審判を受けて、歩むべき次の道が決まります。この道を「六道」と言い、地獄はその道の1つです。生前に犯してきた罪が重い、規定をいくつも破っている、追善供養がない、などの理由で魂は地獄道へ向かうことになります。
そして地獄は、そこから各罪状が存在する8つの世界に分岐。魂は生前に犯した罪の種類によってどこかの地獄へ落ちるのです。そこで待っているのは、人間の感覚では想像もつかないような長い期間刑期と凄まじい拷問だと言われています。
仏教における8つの地獄
等活地獄:殺生をした者が罪人同士で殺し合いをさせられる
黒縄地獄:殺生・窃盗をした者がノコギリで体を切断される
衆合地獄:淫行をした者がカミソリの木を登らされる
叫喚地獄:殺生・窃盗・淫行・飲酒をした者が大釜で茹でられる
大叫喚地獄:殺生・窃盗・淫行・飲酒・虚言を行った者が釜で茹でられ舌を抜かれる
焦熱地獄:殺生・窃盗・淫行・飲酒・虚言・反道徳行為を行った者が灼熱の炎で焼かれる
大焦熱地獄:7つの罪と誤った思想を布教した者が火の海に投げ込まれる
阿鼻地獄:7つの罪と聖人殺しを行った者が他の地獄を極楽だと思うほどの地獄を与えられる
ヒンドゥー教の地獄
インドやネパールで古くより信仰されている「ヒンドゥー教」にも地獄が存在し、その概念は日本の仏教と似ているのが特徴。ヒンドゥー教の地獄は28個にも分岐する地下世界に存在すると考えられており、その名は「ナラカ(奈落迦、那落迦)」と言います。そして日本で言う「奈落の底」は、このナラカに由来する言葉です。
この地獄は永遠のものではなく、あくまで輪廻転生の一部だと考えられています。基本的にヒンドゥー教では永遠不滅の魂が輪廻転生を繰り返すと考えられているため、地獄は最後に行き着く場所ではないのです。一方で生前の行いは業となって魂に染み込み、次に生まれ変わる姿に影響を与えると言われています。
ヒンドゥー教における28の地獄
1:タミスラ:他人の富を奪った者が食べ物や水なしで飢える
2:アンダタミスラ:他の男性を騙す男性が知性と視力を失う
3:ラウラバ:他人に嫉妬した者が蛇の野獣に拷問される
4:マハラウラバ:他人を犠牲にした者が肉を食われる
5:クンビパカ:生物を生きたまま調理した者が沸騰した油で調理される
6:カラストラ:両親や先祖を軽蔑した者が太陽で加熱される
7:アシパトラヴァナ:樹木伐採を行った者が鞭や剣で拷問される
8:シュカラムカ:無実の人を罰した者がサトウキビのように砕かれる
9:アンドハクパ:悪意を持って生物を傷付けた者があらゆる生物に襲われる
10:クリミバークシャ:周囲と食べ物を分け合わなかった者が芋虫に体を食われる
11:サンダンサ:窃盗をした者が鉄のボールとトングで体を引き裂かれる
12:タプタスールミ:淫行を行った者が女性なら鞭、男性なら真っ赤な鉄の像で殴られる
13:金剛界王神:過度な淫行を行った者が棘で体を引き裂かれる
14:ヴァイタルニ:王室の義務を怠った者が地獄の川に食べられる
15:プヨダ:貞操を守らない者が嫌なものを食べさせられる
16:プラナロダ:狩りで獣を殺した者がアーチェリーの的になる
17:ビサシャナ:富のために獣を犠牲にした者が拷問で殺される
18:ララバクサ:妻を支配する夫が精液の川に投げ込まれる
19:サラメヤダナ:略奪を行った者が凶暴な犬に食べられる
20:阿鼻地獄:商売をした者は高山より頭から投げ落とされる
21:アヤパナ:飲酒をした者が溶けた鉄を飲まされる
22:クサラカルダマ:目上の人を敬わない者が汚物による拷問を受ける
23:ラクソガナ・ボジャナ:他人を生贄とした者がナイフで切り刻まれる
24:シュラプロタ:救世主のふりをした者が槍で突き刺され肉食の鳥に食われる
25:ダンダスカ:嫉妬や怒りで他人を傷つけた者が蛇に食い尽くされる
26:アヴァター・ニロダーナ:他人を投獄した者が暗い井戸で窒息させられる
27:パリャバルタナ:虐待を行った者がハゲタカやサギが目を突かれる
28:スシムカ:金銭のための罪を犯した者が全身に糸を縫い付けられる
キリスト教の地獄
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日本を含む多くの国で信仰されているキリスト教では、最終的な永遠の地獄「ゲヘナ」と、神を信仰しなかった死者が最後の審判を待つ黄泉「ハデス」という死後の世界が存在すると考えられています。
そして新約聖書の最後の書である「ヨハネの黙示録」によれば、世界に終末にさしかかった時にハデスで待機していた死者たちはよみがえり、キリストによる「最後の審判」を受けることになるになるのです。ここで最終的に善人だと判断された者は「エルサレム(天国)」へ導かれ、悪人だと判断された者は「ゲヘナ(地獄)」に落ちます。
そもそも基本的なキリスト教の考えには死後の刑罰という者が存在していませんでした。最後の審判を待つ煉獄であるハデスでも、刑罰というよりは魂の浄化をメインに行われ、罪を犯した魂も救済されると考えられています。一方で最後の審判の時が来て地獄の扉が開けば、そこに落とされる者は強い苦しみを伴う罰を受けることになるそうです。