今回はそんな鳳凰のスピリチュアル的な意味について、歴史好きの筆者が解説していきます!鳳凰の歴史や種類についても詳しくご紹介しているので、是非チェックしてみてください。
鳳凰とは
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鳳凰とは、日本で古くから親しまれている中国神話の伝説の霊鳥です。人間を見定める力があり、慈愛に満ちた人や天命を全うするような人のもとに現れて、祝福すると言われています。さらに鳳凰が舞い降りた地には平穏が訪れ、才能に恵まれた人が生まれるとも信じられており、一説によると天女に姿を変えて地上に舞い降りることもあるそうです。
また鳳凰は古くから幸福と愛と平和の象徴とされ、龍と共に出現した際には格段な幸せを知らせていると考えられていました。そしてその見た目と鳴き声は美しく、特に鳴き声は世界最古の音階として使用されたとも言われています。さらに一説では鳳凰の体は宇宙と結びついているという伝説もあり、頭は空、目は太陽、背中は月、足は地球、尾は惑星を表しているそうです。このため、鳳凰はこ天と地を結ぶ鳥でもある考えられています。
そんな鳳凰は、漢の時代以降皇后のモチーフとして使用されるようになり女性的なイメージが強くなりました。皇帝は龍を使用する一方、皇后は鳳凰を好んで使用したのです。やがてそのイメージが世界的に広がり、現在でも東アジア全般で、鳳凰は美の象徴としても親しまれています。
鳳凰の歴史
中国の神話によれば、天地の始まりを作ったとされる神様の盤古が巨大な混沌の卵から誕生した時、共に龍、麒麟、亀、鳳凰の4つの命が生まれたとされています。彼らは四霊または四神と呼ばれ、盤古の天地創造を助けました。さらに四霊の彼らは、五行と5つの季節と5つの方位を作ったとされています。鳳凰はその中の火、夏、南を守護しているそうです。
また鳳凰は、殷の時代には風の使者として信仰されていました。そのため風と鳳の字の起源は同じであるとも考えられています。さらに中国の名数を集めた定義書の小学紺珠では、鳳は5種類いると明記されており、鳳凰には亜種がいるとされていたようです。
五行:万物のもととなる木・火・土・金・水の5つの元素。中国の自然哲学的な思考でもります。
5つの季節:春・夏・秋・冬・土用の5つの季節。
5つの方角:東・西・南・北・中央の5つの方角。
小学紺珠:中国南宋時代の学者である王応麟によって著された、同類のものを集めた数を表す名数を集めた著書。
鳳凰の種類
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ここからは鳳凰の亜種について詳しくご紹介していきます。それぞれの鳳凰の特徴や逸話を解説しているので、鳳凰を深く知りたい方は是非チェックしてみてください。鳳凰のイメージがより掴みやすくなるはずです。
鳳(ほう)
鳳は古来より、六象九苞な存在であると言われています。まず六象は頭が天、目が太陽、背が月、翼が風、足が大地、尾が東西を啓示。そして九苞は、口には命、心には度量、耳には聡明さ、舌には柔軟さ、彩色には輝き、冠は正しさ、蹴爪には鋭さ、鳴き声には激しさ、腹には書庫を包んでいることを示しています。
そして梧桐の木に留まり、口にするのは竹の実のみ。また鳳のいる地の生き物は繁栄し、幸福と豊さの象徴として皇帝に愛されていました。
鸞(らん)
鸞は鳳凰の亜種で、瑞鳥の一種であると考えられています。そんな鸞は鳳類として生まれ、長い年月を経て成長すると五彩の羽が生えそろうのが特徴。成長後の姿が最も美しく鳳凰らしいとされています。その鳴き声も軽やかな鈴の音ようで、周の時代に用いられた大鈴は鸞の鳴き声を真似て作られたとさえ言われていますよ。
また一説によると、鸞は鳳凰が歳をとり成長した種類だとも考えられています。加えて鸞は、江戸時代の日本の百科事典である「和漢三才図会」に、実在の鳥として記載されていたことでも有名です。
瑞鳥:非常に珍しく縁起が良いとされる鳥。
鵷鶵(えんすう)
中国の名数を集めた定義書である山海経には、山から湧き出た水が川となり、東南を流れ海にそそいでいる南禺という場所に鵷雛がいた、と記されています。さらに中国の文人である郭璞が注釈として、その鵷鶵は鳳属であったと言及し、鵷鶵が鳳凰の亜種であることを示しました。また鵷鶵も鳳と同じく梧桐以外の木だけに留まり、竹の実と甘い味の泉の水しか口にしないと伝えられています。