人間関係

完璧主義者とは?3つの特徴とメリットや治し方を心理学に詳しい筆者が解説!

完璧主義者と聞くと、一見とても有能な人のように思えますよね。実際に何事も完璧にこなそうとする志の高い人であることは間違いありません。一方で完璧主義者はその性格や行動の傾向で自らの首をしめてしまうこともしばしば。今回は、そんな完璧主義者の特徴を心理学に詳しい筆者が解説します。完璧主義者だからこそのメリットや、完璧にこだわる思想の治し方などもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

完璧主義者はどんな人?完璧主義は長所になる?

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完璧主義者は、何事も完璧にこなすことにこだわる人たちを指す言葉です。多くの完璧主義者が目標や理想が高く、自分なりの完璧の基準を持っているのが特徴。アメリカ心理学会が出版した『Psychological Bulletin』では、80年代頃から若者の完璧主義が増加していると指摘しています。自分にも他人にも完璧を求めるため、勉強や仕事、あらゆる場面でプレッシャーと向き合うタイプといっても過言ではないでしょう。

完璧主義は、ハイクオリティなものにこだわる高い基準を意識し続けます。そのため、自分や周囲の負担にならない程度に付き合っていけば、とても強い長所となるのです。一方で自分でもコントロールできないような完璧への執着から、精神的に疲れてしまう人も少なくありません。

完璧主義者はできないくせに完璧にこだわる病気?

完璧主義を持つ人が、必ずしも全てを完璧にこなせるわけではありません。そのため、完璧主義にこだわって周囲に迷惑をかけるものの、物事を達成できないこともあります。そんな完璧主義の押し付けを繰り返していると、「完璧にできないくせに」という意見を持たれることもあるでしょう。自分の能力に伴わない完璧主義は人間誰しもが多少は持っているものであり、精神疾患などの深刻な症状である可能性は高くありません。

一方で必要以上に完璧主義を押し付けてしまう場合は、何かの発達障害や強迫性障害、うつなどの症状が出ているかもしれません。周囲から指摘される・迷惑がられるほど完璧主義である場合は、一度心療内科や神経科を受診してみるのもおすすめです。

完璧主義者は何かの定義で診断できる?

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精神的な健康状態を損なうほどの完璧主義は、心療内科などで診断してもらえます。完璧主義という疾患はないため定義が難しいものの、完璧主義による深刻な自己否定・うつ・精神障害、または発達障害や強迫性障害によって引き起こされる以上な完璧主義はしっかり診断してもらえるので相談してみてください。特に完璧主義の思想が強すぎる人は、さまざまな負担で心を追い詰めて精神疾患になってしまうこともあります。少しでも心に異変や違和感を感じたり、異常な完璧主義を治したいを思う場合は、ぜひ速やかに医療機関を受診しましょう。

完璧主義者の特徴は男性と女性で異なる?

完璧主義の特徴は、男性と女性で大きな差があるわけではありません。完璧主義者にみられる大きな特徴は、男女どちらにも該当するものがほとんどです。一方で同性または異性に対してのマウントの取り方が異なったり、態度が異なったりすることはあるといわれています。男性同士では頑固な態度で周囲に完璧を求めたり、女性同士では陰湿な方法でマウントを取ったり、男女間では冷戦的な揉め事が発生したりする傾向にあるので要注意です。

完璧主義者にみられる3つの特徴

ここからは、完璧主義者にみられる3つの特徴を紹介します。心理学に基づいて分析された特徴なので、自分が完璧主義者である自覚がある場合は、自分がどの特徴に当てはまるかをぜひ考えてみてください。

1:自分に厳しく及第点が高い:自己指向型

自分で自分に厳しく、自分自身に高い要求を続けてしまうのが自己指向型の完璧主義者です。自分の理想と自分の能力がかけ離れていることに苦悩したり、自分を責めすぎて精神を病んでしまったりすることが多いといわれています。この特徴を持つ場合は無理な願望を持ちやすく、人生の壁を自分で高くしてしまうのです。不安や焦燥感も感じやすいでしょう。

2:他人に完璧を求めて厳しく接する:他者志向型

自分ではなく、他人に完璧を要求してしまうのが自己指向型の完璧主義者です。自分への基準は甘いものの、他人には厳しく向上心を求めます。周囲にプレッシャーをかけるタイプなので、学校や職場では厄介者として認識されてしまうこともあるので要注意です。他人への執着や意見の押し付けを控え、人間関係のトラブルを避ける必要があります。

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