七福神とは何の神様?7人それぞれのご利益や由来を神道に詳しい筆者がわかりやすく解説! – ページ 2 – Mistory[ミストリー]
スピリチュアル

七福神とは何の神様?7人それぞれのご利益や由来を神道に詳しい筆者がわかりやすく解説!

2:大黒天(だいこくてん):五穀豊穣をもたらすヒンドゥー教シヴァ神の化身

大黒天は、インドのヒンドゥー教のシヴァ神が変身した暗黒神・マハーカーラ(シヴァ神の夜の姿)の化身です。マハーカーラが日本の信仰に合わせて姿を変え、現在の大黒天が誕生しました。丸い大黒頭巾をかぶり袴を着用し、右手に打出の小槌を持ち、左肩に大きな袋をかけています。長く垂れ下がる耳たぶと、にこやかな表情も特徴的です。

本来は暗黒の力を司る激しい力を持つマハーカーラでしたが、日本に古来より存在する大国主命(おおくにぬしのみこと)と融合することで、福の神となったと考えられています。左肩にかかる袋には繁栄・富・勇気・愛・人望・長寿・平和という精神的な7つの宝と、金・銀・水晶・めのう・瑠璃・赤珠・シャコという物質的な宝が入っているそうです。ご利益は、財運向上・五穀豊穣・大漁などがあります。

3:毘沙門天(びしゃもんてん):勝負運を司る古代インドの神様

毘沙門天は、仏教の世界で天部に属している神様です。仏法を守護する存在で、古代インドのクベーラ(ヴァイシュラヴァナ)がもともとの存在であるとされています。武将のように甲冑を着用しており、仏教の守り神である四天王に姿形が似ているのが特徴です。敵を撃退するような忿怒相(ふんぬそう)をしているのも印象的。挙げている方の手にお釈迦様の骨が入っている宝塔(ほうとう)を持ち、片方に厄を払い幸運をもたらす宝棒(ほうぼう)、または三叉戟(さんさげき)を持っています。

そして背後には丸い円光が飾られ、両足では邪鬼を踏みつけていることもしばしば。像の形状にもよりますが、かなり印象的な神様といえます。ご利益は、開運・商売繁盛・武運向上など。もともと戦いの神様なので、強い武運で後押ししてもらいたいときに参拝するのもおすすめです。

4:弁財天(べんざいてん):音楽や芸能を司るヒンドゥー教の女神

弁財天は、ヒンドゥー教のサラスヴァティという女神です。弁財天という名前は仏教における呼び名であり、七福神唯一の女神としても知られています。奈良時代に日本へ伝わり、古来より信仰されてきました。水の女神であり、一般的には水辺で祀られることの多い神様です。琵琶を持ち、天衣をまとい、煌びやかな宝冠をかぶっています。優しい微笑みを携え、美しい顔をしているのも特徴です。

お釈迦様の助言役として活躍し、宇宙を創造した神として知られる梵天(ぼんてん)を夫に持つことでも知られています。また、8本の腕を持っている姿で描かれたり、像を造られたりすることもしばしば。8本腕の弁財天は八臂弁財天(はっぴべんざいてん)と呼ばれ、琵琶を持たずに宝珠・宝棒・戟(げき)・剣・鉤(かぎ)・輪宝・弓・矢を持っているのが一般的です。ご利益としては、芸妓上達・財運向上・開運などがあります。

5:福禄寿(ふくろくじゅ):長寿や子孫繁栄をもたらす中国道教の神

福禄寿は、古代中国発祥の道教から生まれた神様です。道教における三星信仰の福星・禄星・寿星が融合した存在であると考えられています。室町時代以降に日本へと信仰が広がり、七福神の1人として幅広い支持を集めるようになりました。背が低く頭部が長い、白い仙人のような髭を携えた姿が特徴的です。左手に釈迦如来の教えをまとめた経巻、右手に木の杖を持っています。長い頭部から、頭脳明晰のご利益がある神様としても有名です。また、幸福の福、富の禄、長寿の寿の3つのご利益をもたらすといわれています。

人生の幸福を底上げしたい、全体運を底上げしたいと考えている場合に参拝すべき神様といえるでしょう。

6:寿老人(じゅろうじん):病の治癒や延命をもたらす中国道教の神

寿老人は、福禄寿と同じく中国の道教をルーツとする神様です。不老不死の仙人を神格化した存在であるとされ、江戸時代以降に日本へ伝わりました。頭巾をかぶり、白く長い仙人のような髭を携えています。長寿のシンボルとされる桃、団扇、巻物、杖、不老不死の薬が入った瓢箪などを持っているのが特徴です。福禄寿と見た目が似ており、混同されることもしばしばあります。ご利益は持ち物からもわかるように、長寿が最も強め。

健康運向上のご利益が得られるので、体の不調が気になる人や、健康をしっかり維持したい人などはぜひ参拝してみてください。多面的なご利益でなく、健康長寿のご利益を集中的に祈願する神様として認識しておくと良いでしょう。

7:布袋尊(ほていそん):笑いや子宝をもたらす中国高僧の神格化

布袋尊は、唐時代の中国に実在した契此(かいし)という高僧を神格化した神様です。人々に幸せを与える神様として、日本では江戸時代より信仰されてきました。布袋という名前は、契此が大きな布袋を担いで中国を放浪していたことに由来しているそうです。僧侶のトレードマークである坊主頭、大きな福耳、たっぷりとした太鼓腹を持つのが特徴。袈裟を着用し、頭陀袋と中国の団扇を持っています。

契此は頭陀袋で受け取った施しを、出会う人々に分け与えていました。そのため、布袋尊のご利益は幸福を受け取る強い開運だと考えられています。運気の上昇・商売繁盛・健康運向上・家内安全などのご利益を得られるでしょう。弥勒菩薩とも同一視されている布袋尊は、強い高次の力でご加護を与えてくれます。

次のページを読む
1 2 3 4
Share: