パンセクシャルとバイセクシャルの違いは?恋愛における3つの傾向を当事者の筆者が解説!
- 『パンセクシャル』と『バイセクシャル(バイ)』とは?
- 『パンセクシャル』と『バイセクシャル(バイ)』の違いは?似ているようで根本的に違う
- パンセクシャルは英語で『pansexual』バイセクシャルは英語で『bisexual』
- パンセクシャル・バイセクシャルは診断できる?原因がある?
- パンセクシャルとバイセクシャルそれぞれの傾向
- パンセクシャルの傾向
- バイセクシャルの傾向
- パンセクシャルとバイセクシャルの割合とは?
- パンセクシャルの恋愛傾向3つ
- 1:相手のジェンダーを気にせず好きになる
- 2:人の内面の魅力に惹かれやすい
- 3:友情と恋愛感情の境界線が曖昧になることもある
- パンセクシャル・バイセクシャルあるある
- パンセクシャルはノンバイナリー?性自認の話はまた別のもの
- パンセクシャルとデミセクシャルの違いは?
- パンセクシャルをカミングアウトしている芸能人は?
- 自分のセクシャリティを診断できる?lgbt診断テストがある
- 特定のセクシャリティの特徴を決めるのは危険?
- パンセクシャルもバイセクシャルも自由に生きるべき!どのセクシャリティも型にとらわれないで
この記事の目次
『パンセクシャル』と『バイセクシャル(バイ)』とは?
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『パンセクシャル』は『全性愛』であり、『バイセクシャル(バイ)』は『両性愛』と表現されます。つまりパンセクシャルは全ての性別が恋愛対象、バイセクシャルは男性または女性が恋愛対象です。昨今では多くの国で幅広いジェンダーが認められ、これらのセクシャリティに対する理解も広まりつつあります。
実際にオーストラリアやニュージランドなどの国でも第3の性別としてXジェンダーが導入されたり、大手SNSのプロフィールでも男女以外の性別を選択できたりと、その動きは活発です。SNSで選択できる性別の種類は、米国版で50種類、英国版で71種類にも及びます。
さらにオー ストラリア・ネパール・ニュージーランド・ドイツなどの諸外国では、パスポートでも男女以外の性別を選択できるようになりました。このように多様なジェンダーが認識されていけば、パン・バイセクシャルを含む多様なセクシャリティへの理解も進むでしょう。
参考:『性別二元性をどうのり超えるか』高橋惠子氏・湯川隆子氏・吉本敏子氏・松並知子氏・東優子氏
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/arepj/54/0/54_202/_pdf)
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『パンセクシャル』と『バイセクシャル(バイ)』の違いは?似ているようで根本的に違う
パンセクシャルとバイセクシャルは一見似ている特性を持ちますが、実は全く異なる性別です。パンセクシャルは好きになる条件に性別が関係しないのに対し、バイセクシャルは好きになる条件に性別が関係するというのが大きな違いといえます。パンセクシャルの恋愛対象には全ての性別が含まれ、バイセクシャルの恋愛対象は男性または女性なのです。
この2つのセクシャリティの混同は、性別(自認)が男性・女性の2つで全てだという認識によるものでしょう。そのため、自認される性別の種類が男女の2つだけではないという意識を持つと、パンセクシャルとバイセクシャルの違いがわかりやすくなるはずです。
WHOでは、性別を「生殖器官・染色体・ホルモンなど男性と女性で異なる生物学的、生理学的諸特徴」と定義し、ジェンダーを「規範・役割・女性や男性のグループ間の関係など社会的に構築された女性や男性の諸特徴」と定義しています。つまりジェンダーとは、社会的な性質を示すものなのです。さまざまなジェンダーがあることを理解すれば、パンセクシャルの「全性愛」の意味にピンときますね。
参考:『「心理学研究」誌における「性別」の取り扱いについての予備的研究』西尾優希氏・李美蘭氏・遠藤裕乃氏
(https://hyogo-u.repo.nii.ac.jp/record/17032/files/hattatsushinri_vol29_01.pdf)
パンセクシャルは英語で『pansexual』バイセクシャルは英語で『bisexual』
パンセクシャルは英語でpansexual、バイセクシャルは英語でbisexualと表記します。pansexualの「pan」はギリシャ語で「全て」を意味し、bisexualの「bi」はラテン語で「2」を意味し、これらがセクシャリティを意味する根源となりました。全てと2つを意味する言葉を利用した単語なので、シンプルで分かりやすいでしょう。
パンセクシャル・バイセクシャルは診断できる?原因がある?
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パンセクシャル・バイセクシャルの診断は、基本的に本人の自認に頼るものとなります。医学的観点から診断することは一般的でなく、自分の気持ち、恋愛対象から自分で診断している人がほとんどです。同性または異性に恋愛的・性的に惹かれる場合はバイセクシャルの傾向があり、恋愛的・性的に惹かれる相手の性別を問わない場合はパンセクシャルの傾向があるといえます。
また、セクシャリティーは変化することもあるので要注意です。1つのセクシャリティーにしっくりきたとしても、数年後には違和感を感じ、別のセクシャリティーが自分であると感じることもあります。全く不自然なことではないので心配する必要はありません。一方でこれらのセクシャリティーになる根拠や原因に関しては、現在では医学的・科学的に判明していません。
パンセクシャルとバイセクシャルそれぞれの傾向
ここからは、パンセクシャルとバイセクシャルのそれぞれの傾向を紹介します。自分のセクシャリティーがどちらかに該当すると考えている場合や、セクシャリティーが曖昧で参考がほしい場合などはぜひチェックしてみてください。
パンセクシャルの傾向
パンセクシャルは基本的に「好きになった相手の性別を気にしない」という傾向を持ちます。好きになった相手を人間として好み、女性であろうが男性であろうが、Xジェンダーやトランスジェンダーであろうが気にしません。全ての性別が恋愛対象となるため、「全性愛」と表現されています。幅広いタイプの人を愛す柔軟な恋愛のものさしを持っていると考えられるでしょう。
バイセクシャルの傾向
バイセクシャルは基本的に「男性と女性の両方に恋愛的にも性的にも惹かれる」という傾向を持ちます。全てのジェンダーを男性と女性の2種類だと認識している場合は、バイセクシャルとパンセクシャルの違いがよくわからないでしょう。しかしジェンダーが多様であることを理解していれば、バイセクシャルが男性と女性の2つのジェンダーに限定して惹かれることがしっかり認識できるはずです。
このバイセクシャルは自身のジェンダーに左右されないため、当たり前ですが男性同士・女性同士が付き合うこともにあります。つまり男性同士・女性同士が恋愛関係にあったとしても、レズビアンやゲイだけでなく、バイセクシャルの可能性もあるのです。