筆者も色々な職場を経験しましたが、どこに行っても必ず一人は苦手な人がいました。それでもしっかり付き合っていき、自分の成長につなげてきました。今回は、職場にいる苦手な人との上手な付き合い方を、10社以上渡り歩いた筆者が解説します。
なぜ苦手と感じるのか?理由を分析
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苦手だと感じるのは瞬間的なことで、そのときには理由も理屈もありません。単純な嫌悪感だけで相手を苦手と片付けるのもいいですが、少し向き合ってみてください。その人を苦手と感じる理由が、自分の内面にあるかもしれません。
その1. 自分と似ている
同族嫌悪という言葉があります。自分と似た性質の人に抱く嫌悪感で、引っ込み思案の人に「もっと積極的にいきなよ!」とアドバイスするものの、実は自分も積極的には動けないということも。
自分ができなくて悩んでいることを、同じように悩んでいる人がいるとその人に対してイライラしてしまうのです。自分を棚に上げて、相手にはそれを求めます。似ているからこそ、なぜそうなるかがわかるからこそ、もどかしさに耐えられないのです。
その2. 自分と正反対である
自分と全く異なる性質の人には恐怖すら感じることがあります。自分が絶対にやらないこと、考えもしないことを平然とやってのける人を受け入れられないのです。理解不能の出来事に人はキャパオーバーになり、敬遠してしまいます。
「この人とは合わないな」と遮断してしまうため、それ以上近づくこともなく、理解が深まることはありません。「あんな風になりたくない」と思う気持ちの奥には、実はひそかな憧れが潜んでいることもあります。本当は心の底で、自分もやってみたい、動いてみたいという思いがあるのですが、遠く及ばないために「苦手だから」と逃げているのです。
その3. 相手も自分を苦手と思っている
「あの人には嫌われている」「どうせ向こうも私を苦手と思っている」と判断するため、歩み寄りがありません。こちらが強い苦手意識を持っている場合、相手もなんとなくこちらに遠慮しがちな態度を取ることがあります。
苦手意識が伝わっているのか、あるいは最初から相手もこちらを苦手と感じているのかはわかりません。しかし、いずれにしても互いに相容れない感情を抱いているということが多いです。
その4. 苦手な感情は自己投影の表れかも
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「あの人には嫌われている」と感じるとき、それは何を持って判断しているでしょうか。もしかしたら、自分がそう思っていることを相手に自己投影しているのかもしれません。
自己投影とは、自分の弱い部分、認めたくない部分を他者にすり替えてしまう自己防衛機能です。本当は色々な人と交流したいのにできない自分がいるとして、誰とでも楽しそうに交流している人を見て、八方美人でいけすかないと思ってしまいます。
どこかで羨ましいと感じている自分をごまかすため、できない自分を正当化するために、「あんな風に誰とでも仲良くするなんて感じが悪い」と思い込んでいるのです。
苦手な人との付き合い方
理由はどうあれ、苦手な人と付き合うのはしんどいものです。離れることができないなら、うまく付き合っていくしかありません。できるだけ心穏やかに過ごすための心構えや攻略法をご紹介します。人間関係の悩みを解決するのは、結局自分が動くことでしかありません。
その1. 距離を取る
物理的な距離が難しくても、心の距離を取ってください。苦手な相手の言動を全て真に受ける必要はなく、聞き流すように努力してみるのです。話しかけるのが嫌でも、業務連絡で話さなければいけないときは、事前にシミュレーションして言うべきことを言い切って終わりにしましょう。
会話を弾ませなくても、仕事に滞りなければそれ以上話す必要はないのです。接触を最小限にとどめ、なるべく仕事以外の関わりを持たないようにしてください。