その1.軽~く身体を動かしてみよう
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正常な心理状態の維持には、適度の刺激にさらされながら行動する必要があります。人の脳幹部にある覚醒中枢は中程度に活動している時に「快適感」が経験されるそう。そのため、自分の価値に疑問を持ったら、無理のない範囲で軽~く身体を動かして脳に刺激を送って覚醒中枢を活性化させ、乱れたこころのバランスを整えましょう。
その2.「できること」から少しずつ
人は、一定の目標を設定してそれに到達するであろう行動をし、達成すれば満足感・成功感を得ることができます。その成功体験の繰り返しが自尊傾向を高めるのです。自分の価値に疑問を持ったら、「できること」をすこしずつ繰り返し、達成できる小さなことから成功体験を積み重ねて、自尊感情を高めると良いでしょう。
その3. 信頼できる人と会話する
アメリカの心理学者・マズローは人間の要求を段階に分けました。一番下にあるのが「生理的な要求」、次が「安全を求める要求」、その次が「愛と所属の要求(社会的要求)」、次が「承認と尊重を求める要求」、その次が「自己承認・自己尊重の要求」、そして最後が「自己実現の要求」。下の要求が達成されると次の要求に移行していきます。つまり、自分を尊重し充足感を得るためには、他者に承認・尊重してもらう必要があるのです。
この定理から、自分の価値を実感するためには「信頼できる他者(友人・家族など)」とコミュニケーションを取り、自分を承認してもらうことも有効ですね。
その4.自分を客観的にみてみよう
自分の価値が分からなくなる原因として、そもそも自分で自分のことが分からなくなってしまう、ということがあります。その場合、自分を客観的に見る方法が「性格テスト」です。
「性格テスト」はよくある連想ゲームなどのような「心理テスト」とは異なり、パーソナリティを理解する方法として心理学で確立された検査法。アメリカの心理学者ギルフォードの研究を参考に京都大学の矢田部・園原・辻岡が入念に検討して作製した「矢田部・ギルフォード(Y-G)性格検査」が日本ではよく用いられています。
質問への回答の数値から個人の特性を明確にしているので、自分に迷ったら客観的に掴むために利用してみても良いでしょう。
「自分の価値」は、はじめからある
この記事では、「自分って何?」という疑問から自分の価値が分からなくなった時の対処法まで、自分の価値について色々な観点を紹介しました。ここで言いたいのは、「自分の価値」は自分では分からなくなる時があっても、なくなりはしないということ。そもそも、人は誰でも特別でそれだけで価値があるのです。
誰もが持っている「自分らしさ」
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「そもそも、自分って何?どうやって「自分」になるの?心理学の観点からみてみよう」で「持って生まれたものと小さいころから現在までの環境、人間関係など個人に関わる全てが「自分」を形作っていくのです。」と紹介しました。それはつまり、世界中で「自分しか持っていないもの」であり「自分しか経験していないもの」が「自分」を作っていくということです。
そもそも「自分」は存在しているだけで唯一無二の特別なもの。そして、その特別はありのままの「自分らしさ」として個人個人を彩っています。そのため、人は「自分」でいるだけで価値があると言えるのです。