そもそも、自分って何?どうやって「自分」になるの?心理学の観点からみてみよう
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気が付くと「自分」になっていたけど、「自分」はいつ、どうやってできたの?そもそも、自分って何?「自分」ができていくメカニズムを紹介します。
自分って何?
精神分析療法と精神分析学を創始したフロイトは、人の心が3つの領域でできていると考えました。奥にあるのが本能的衝動の「エス」。エスを監視する倫理的・理想主義的機能を担う「超自我」。そして、エスと超自我と現実を適当に折り合わせる「自我」。この3つが相互に働いてバランスを取り合い、その人個人のこころ、つまり「自分」ができていくのです。
「自分」はこうして作られる
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人には持って生まれた「素質」と、生後の養育環境下での親子関係をはじめとする人間関係を通じて形成される層(気質)があります。また、食事、トイレ、着替えなど身の回りの基本的なことができるようになっていく2歳頃から「自我」が芽生え、個性のあるその人独自の考えを持つようになるのです。
さらに、保育園や幼稚園に行き始めると子ども同士の集団生活の影響が相乗され、その後の児童期・青年期以降は社会的価値観の取入れが長期間にわたってなされて、その個人特有の意識の持ち方や行動様式が形成されていきます。その傍ら、階層的・地域的な文化も絶えず個人に影響を与え続けるのです。
つまり、持って生まれたものと小さいころから現在までの周囲の環境、人間関係など個人に関わる全てが「自分」を形作っていきます。
自分に価値はある?自分のことが不安になるメカニズム
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こころの仕組みと「自分」ができるまでについて紹介しましたが、自分の価値についてネガティブになり、不安な思考が生じることがあるのはどうしてなのでしょう?ここでは、そのメカニズムについて紹介します。
メカニズムその1:こころのバランスの崩れ
人のこころは「エス」「超自我」「自我」の3つの領域がある、というのが精神分析学の祖・フロイトの説。その3つのバランスがとれているのが平時の状態ですが、時としてそのバランスが崩れることがあります。
現実に適応しようとする「自我」と本能的・快楽追求的な「エス」との間に葛藤が生まれると「不安」が発生してしまい、そのような時に自分の価値への疑問が生まれることがあるのです。
メカニズムその2:安全で平和な環境にいるため
意外かもしれませんが、安全で平和の中にいる時に不安が生じてしまううことも。一見、安全で平和であるほど良いことはない、と思われがちですが、そうした日々の状態が毎日続くとかえってやり切れない「退屈」を味わうことが。そして、そんな時にはそれほど必要に迫られているとは思われない心理的活動があえて行われたりします。
自分の価値に疑問を思うことは、ある意味「安全な環境」にいるためかもしれません。
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