1.10個の要素で成立しているもの
十干は10個の要素で成り立っています。10日間を1つの区切りにして各1日に名前がつけられたもの。具体的には「甲(こう)」「乙(おつ)」「丙(へい)」「丁(てい)」「戊(ぼ)」「己(き)」「庚(こう)」「辛(しん)」「壬(じん)」「癸(き)」という10個の要素からなっています。
2.十干のベースは陰陽五行思想
十干の元となるのは、陰陽五行思想。古来中国で生れた自然界の理を説く思想のひとつで、陰陽説と五行説を融合したもの。世の中に存在する全てのものは、「陰」「陽」の相反する性質に分けられるとされた思想の陰陽説と 万物は「水」「金」「土」「木」「火」という5つの要素で構成されていると考えられている五行説がミックスされています。日本では、十干の独自の読み方が確立されて、甲(きのえ)」「乙(きのと)」「丙(ひのえ)」「丁(ひのと)」「戊(つちのえ)」「己(つちのと)」「庚(かのえ)」「辛(かのと)」「壬(みずのえ)」「癸(みずのと)」となっていきました。
60通りある十干と十二支の組み合わせ
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前項でもお話したように、干支は十干と十二支は組み合わったもので60通りもあります。これが一巡することで「還暦」となるのです。
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1.干支の正式な呼び方は六十干支(ろくじっかんし)
干支は正式には「六十干支(ろくじっかんし)」と呼ばれており、やはり古代中国の思想や易である陰陽五行説から生まれてたもの。のちに月日に当てられるようになり、その根幹をなすものが干支なのです。「十干」は「甲・乙・丙・丁~」というように、10日をひとかたまりにした呼び名でした。この10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼称し、3つの旬である「上旬」「中旬」「下旬」が1か月となります。時代を経ていく中で、古代中国思想の陰陽五行説に十干が当てはめるられるようになっていったわけですが、日本ではこの「陰」「陽」を「兄(え)」と「弟(と)」に見立てて、「兄弟(えと)=干支」となりました。
2.丙午の迷信
干支は古くから、女性に関する迷信があります。「丙午(ひのえうま)生まれの女性は気性が激しくて夫を不幸にしてしまう」とい迷信などです。この考えは現代社会では決し当てはまることではありませんが、このような迷信が生まれたのはなぜなのでしょうか。それは、干支が生まれた中国では、「丙午」や「丁巳(ひのとみ)」の年に天災が多いと言われていたからです。この伝承が日本に渡り、江戸時代には「丙午の年には火事が多発する」という内容に変化したとされています。
これが時代の変化とともに、「丙午の男性・女性は配偶者を殺める」という考え方になっていったのでしょう。このようなことから、丙午生まれに対するネガティブなイメージが確立されてしまったのかもしれません。さらに浄瑠璃などで知られる「八百屋お七」という作品の中の登場事物である「お七」も丙午生まれということから、さらに迷信が信じられるようになったのでしょう。
筆者の意見:暦法を知ることでその人の生まれた意味が見えてくる
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筆者も干支に関してのそれほど詳しくはありませんが、私の母が生前よく言っていたことがありました。それは前項で触れた「丙午生まれの女性は夫を不幸にしてしまう」ということ。当時幼かった私は何となく信じてしまっていましたが、今はそんなことを全く気にしていません。ですが暦法を知ることで、その人がこの世に生まれてきた意味が見えてくるような気がするのです。
干支のベースとなっているのが陰陽五行説のため、人の運命の意味がこれで何となく分かってくるのではないかと思うと、干支の奥深い考え方に興味を抱いてしまいます。占いでは姓名判断や生年月日で人の運命を調べることがありますが、干支という観点で人の生まれた意味を知ることも、ちょっとした話題になるのではないでしょうか。スピリチュアルの世界でも、人がこの世に生を受けた目的や運命を知ることはとても大切なことですが、干支からその人の運命を求めてみるということ面白いかもしれませんね。