特徴6. 自分に責任が生じることはしない
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特徴の6つ目は、自分に責任が生じることはしないことです。依存性パーソナリティ障害の方が他人に依存している理由はいくつかのものがありますがそのうちの1つに責任が怖いというものがあります。もちろん、責任はプレッシャーがかかりますし、一般的な人でも避けたいと思うかもしれません。しかし、依存性パーソナリティ障害の方は嘘をついてでも責任から逃げる、他人に責任を持ってもらうようにするなどの特徴を持っています。
依存性パーソナリティ障害の診断例
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依存性パーソナリティ障害の診断基準にはいくつかのものがありますが、本記事では最もポピュラーである『精神疾患の診断・統計マニュアル』のDSM-5の診断基準をご紹介します。以下の条件の5つ以上に当てはまると依存性パーソナリティ障害と診断される可能性があるというものです。
1. 日常のことを決めるのにも、他の人達からのありあまるほどの助言と保証がなければできない。
2. 自分の生活のほとんどの主要な領域で、他人に責任をとってもらうことを必要とする。
3. 支持または是認を失うことを恐れるために、他人の意見に反対を表明することが困難である。 (注:懲罰に対する現実的な恐怖は含めないこと)。
4. 自分自身の考えで計画を始めたり、または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより、むしろ判断または能力に自信がないためである)。
5. 他人からの世話および支えを得るために、不快なことまで自分から進んでするほどやりすぎてしまう。
6. 自分自身の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために、1人になると不安、または無力感を感じる。
7. 1つの親密な関係が終わったときに、自分を世話し支えてくれるもとになる別の関係を必死で求める。
8. 1人残されて自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に、非現実的なまでにとらわれている。
(引用:ハートクリニック,https://www.e-heartclinic.com/kokoro-info/special/personality_8.html)
依存性パーソナリティ障害の治療法
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依存性パーソナリティ障害の治療法は主に精神療法と薬物療法になります。精神療法はカウンセラーとの対話によって原因を把握し、自分の力で徐々に直していく治療法です。時間がかかりますが、体に負担が無い治療法であるので主にこちらが用いられています。
薬物療法はうつ病などが併症している時に用いられることが多いです。パニック発作・強い不安分離にはイミプラミン・トフラニール、うつ病には抗うつ薬などを用います。薬物療法は体に負担がかかるので強い併症が出てきている際に用いる治療法です。
パーソナリティ障害への理解を深めよう
本記事では依存性パーソナリティ障害の特徴について全パーソナリティ障害を把握している筆者が解説しました。パーソナリティ障害は個人の性格と非常に見分けがつきにくいものです。自分に疑いがある方は専門機関での診療を考えてみましょう。また、周囲にそのような方がいた場合もパーソナリティ障害なのかもと考えることが必要です。