引き出物は平安時代から行われていた
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引き出物が始まったのは平安時代。日本の文化として根付いている引き出物はすでに1000年以上前から行われていたようです。
平安時代の貴族の間では宴席に招いたお客様に「よく来てくださいました」という感謝を込めて馬をおみやげとして渡していたそうですよ。引き出物といわれるようになったのは「馬を引き出す」ということからともいえるでしょう。そして引き出物は感謝の気持ちを込めた贈り物という意味を持つようになったそうです。結婚式のお土産を「引き出物」というのはその中に新郎新婦の感謝が込められているからといえるでしょう。
鰹節は江戸時代から引き出物として使われていた
感謝の意味を込めた引き出物は、時代の変遷に伴って大きく変化していきました。平安時代、当時最も高価なものの一つであった馬を引き出物として送ったことから始まり、室町時代には馬の代わりに貨幣などの金品に変わったとか。そして戦国時代の引き出物は勝利を願って武具となっています。
江戸時代に入ると戦がなくなるにつれて結婚式やお祝い事の引き出物は鰹節などに代わっていきました。明治時代には多くの人々が結婚式を挙げるようになり、引き出物の定番として鰹節が使われるようになりました。
現在でも結婚式の引き出物の中には新郎新婦の感謝を込めた品々と一緒に鰹節が入っていますよね。時代が変わっても縁起物として鰹節は不可欠なものといえるでしょう。
現代の引き出物としての鰹節とは
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鰹節といえば現在では3グラムや5グラムの袋に入った削り節を考えるのではありませんか。筆者が子どもの頃はよく「鰹節を削って」といわれたものでした。使う分だけを鰹節削り器で削っていたのですよ。現代の子どもたちは削り節器など見たことはないでしょうね。
昭和の頃の日本の結婚式で引き出物の鰹節は、削ったものではなく本節でした。日本の生活様式の変化に伴って鰹節を削ることもなくなり削り節が主流となりました。
現在の結婚式の引き出物として使われる鰹節はパックに入ったものやほかの縁起物と一緒に使われるようになっています。ただ鰹節は日本の食生活には欠かすことのできなものといえるでしょう。
鰹節は引き出物や内祝いには欠かすことができない縁起物
鰹節は古くから日本で作られているとても大切な食材です。現在では粉末のだしの素などを使う家庭が多くなっていますが、基本はかつおだし。鰹節でとっただしは日本人の心を表しているともいえるでしょう。そして縁起物としての鰹節は、結婚式や祝い事の引き出物として不可欠なものといえるでしょう。