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回避性パーソナリティ障害とは?意味や引き起こす原因や症状、治療法などを心理学に詳しい筆者が解説!

その3.社会からの孤立

回避性パーソナリティ障害の人は、自分は他者と比べて明らかに劣っていると感じます。これは、自分の能力が欠けていることで自分の意見は必ず相手に否定されるという感覚があるためです。例えば、昇進を持ち掛けられても同僚よりも自分が勝るわけがないと考えるため、昇進を拒否します。

そのため同僚よりも昇進が遅れて、より自分は劣っていると考えてしまい、社会的交流の場から孤立することになってしまうのです。

回避性パーソナリティ障害の治療法は?

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回避性パーソナリティ障害の一般的な治療法は、様々にあります。また、それらの治療法は回避性パーソナリティ障害がパーソナリティ障害の1種であることから、パーソナリティ障害の治療法とほぼ同じものです。

その1.認知行動療法

認知行動療法とは、ストレス場面で自動的に思い浮かぶ思考が現実といかに違うのかを理解させる治療法です。回避性パーソナリティ障害の人は間違っていることを正しいと考えたまま、誤った結果につながる行動を取ります。例えば、ある人に怒られるという出来事があり、自分はダメな人間だからという認知によって落ち込むことでしょう。

認知行動療法では、このような自分はダメな人間という認知をより現実的な認知へと変えて、それに伴う正しい行動を探すことをします。

その2. 集団療法

集団療法は自分と似たような症状をもつ人々と話し合うことで自分の劣等感などを打ち明け、問題を解決していく治療法です。しかしながらこの治療法は人との対話が必須であるため、引きこもりになってしまった重度の回避性パーソナリティ障害の方には少し難しい可能性もあります。

その3.薬剤療法

薬剤療法には不安を和らげるなど、抗うつ薬や抗不安薬などが挙げられます。これは薬剤によって、深刻なうつ状態が軽減する可能性があるためです。しかしながら、薬剤療法はあくまで認知行動療法などの精神療法との併用によって行われます。

自分に合った治療法を見つけることが重要

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回避性パーソナリティ障害といっても重度から軽度の状態で症状がさまざまです。例えば、他者との接触が可能な方と人からの拒絶や批判などに著しく敏感な患者さんとでは、治療法が異なります。そのため支持的で個人的に配慮してもらう必要がある治療法か、集団療法などのような精神療法が適しているかは、お医者さんに判断してもらう必要があるでしょう。

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