鶏の歴史とは?
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あなたは鶏の日本における歴史を知っていますか?じつは鶏は日本の農耕が始まった弥生時代ころから飼育されていたといわれています。ここでは身近にいる鶏のあまり知られていない歴史について簡単に考えてみましょう。
鶏は古代では神聖な鳥だった
鶏が日本に渡来した時期は、いまだにはっきりとわかってはいません。ただ農耕が始まった弥生時代には鶏を飼っていたといわれています。日本の農耕は家畜を利用しないもので、本来鶏や豚などのような家畜は存在しないといわれていました。
近年の調査によると弥生時代にはチャボほどの小さめの鶏が飼育されていたようです。ただ古代の人々は鶏を卵や肉を食べるために飼育していたのではなく、太陽が昇る時刻を教えてくれる時告げ鳥として大切に飼育していたとか。時計のない古代ではとても貴重な鳥であり、神聖なものとされていたようですよ。
卵を食べ始めたのは江戸時代から
卵を食用とできるということを日本人が知ったのは戦国時代にポルトガルから渡来したカステラなどのお菓子に使用されていたから。それでも神聖なものとして当時もまだ殺生はできない生きものとされていました。
江戸時代に入ると無精卵は孵化しないということがわかり、無精卵を食べることは殺生ではないという考え方が広まりました。そのため多くの人々が卵を食べるようになったといわれています。その後鶏肉などが食べられるようになり、現在では日本の食卓には欠くことのできない食材となっているといえるでしょう。
鶏は縁起がいいといわれる理由とは
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古代から鶏は神聖な生き物として愛されてきました。ではどうして鶏は縁起がいいといわれるようになったのでしょうか?ここでは鶏は縁起がいいといわれるようになった鶏が鳴くときの習性、天照大神の使いといわれる、鳥居は止まり木だったという3つの理由について解説しましょう。
理由1太陽が昇ると同時に鳴くから
鶏は太陽が昇ると同時に鳴く習性があるといわれています。そのため「明けの鳥」という別名もありますよ。時計がなかった古代では、「時告げ鳥」といわれ、とても大切に育てられていました。新年でもご来光が上ると同時に一番に鳴く鳥が鶏。そのためニワトリはとても縁起がいいといわれるようになったそうですよ。
理由2「天照大神の使い」といわれるから
「古事記」や「日本書紀」に記述される天照大神に関する神話の中に天岩戸に天照大神が引きこもったというものがあります。太陽を司る天照大神が引きこもったため世界は真っ暗。困った八百万の神様たちは天照大神を岩戸から出す方法はないかと考えました。
神様たちは美しい声や賑やかな踊りで天照大神の気を引こうとします。この時美しい鳴き声で鳴いたとされる動物が鶏。そのため鶏は「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」とも呼ばれ、天照大神の使いといわれるようになりました。
理由3神社にある鳥居は鶏の止まり木
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天照大神の使いとして鶏はとても大切にされてきました。そして多くの神社で飼育されるようになったといわれています。そのなかでも天照大神をご神体とする伊勢神宮では神鶏として内宮境内で放し飼いにされているとか。そして神社にある鳥居は神様の使いとされる鶏の止まり木という意味があるそうですよ。