7:「霊力」を持ったもの
中国の伝説には、ひょうたんを身に付けている仙人が多く登場しているそうです。中国には「八仙」という、日本の七福神のような存在がいます。八仙の中の1人「李鉄拐(りてっかい)」のシンボルが、ひょうたんです。李鉄拐は、小脇にひょうたんを抱えた姿で描かれています。弟子が母親を亡くし悲しんでいると、ひょうたんから薬を出して母親を生き返らせたという伝説が残っているそうです。
他にも「西遊記」に登場する金角・銀角も、ひょうたんを持っています。呼びかけた相手が返事をすると、ひょうたんが中に吸い込んで溶かしてしまうという霊力を持っているのです。中国でもひょうたんは、霊力を持った特別なものと考えられています。
8:「厄除け」「魔除け」
大宰府天満宮では「厄晴れひょうたん焼納祭」というお祭りが開かれています。お祭りでは本殿の前に、ひょうたんの形の門が設置されるのです。ひょうたんに入れたお酒を酌み交わすと「厄を逃れる」といわれています。また厄除け祈願を受けた人には、御札・お神酒・厄除けひょうたんが授けられるそうです。このひょうたんに願い事を書いた紙を入れ、神棚に祀っておきます。
他に出雲大社の「爪剥祭(つまむぎさい)」も、ひょうたんが使われているお祭りです。このお祭りでは生のひょうたんを輪切りにした、麻柄の柄杓が神具として使われています。ひょうたんは霊魂を宿していて、災いを祓い邪気を遠ざける呪力があると考えられているのです。神聖な植物とされ、魔や厄から人を守ると考えられています。
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9:「必勝祈願」のお守り
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戦国時代の武将はひょうたんを、旗印や馬印(大将の目印)に多く使用してきました。他にもひょうたんは「必勝祈願」や「出世」のお守りにも使われています。豊臣秀吉の馬印は、金色のひょうたんです。戦で勝利を収めるごとに、馬印のひょうたんの数を増やしていきました。数多く群がって実がなるという意味の「千を成す」という言葉があります。たくさんのひょうたんを付けた秀吉の馬印は「千成瓢箪」といわれるようになったのです。
秀吉が一夜にして城を築いたという伝説もあやかって、ひょうたんは「出世」にご利益があるといわれています。
10:縁起のよい「吉兆文様」
ひょうたんは「幸運招来」「子孫繁栄」など、様々な縁起のよい意味を持っています。縁起がよいという理由から、多くの吉兆文様にも使われてきました。
唐草模様と取り合わせた「瓢箪唐草文様」。小さなひょうたんが水玉模様のように描かれた「瓢散らし(ひさごちらし)」。六つのひょうたんは、無病息災を表す「六瓢箪(むびょうたん)」の文様にされています。これらの文様は着物や手ぬぐいなどに使われており、伝統的な和の文様「吉兆文様」にもされているのです。
11:「金運上昇」をもたらすもの
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風水でひょうたんは「化殺(かさつ)」といわれる力を持っているといわれています。化殺は、邪気を封じ込める力のことです。邪気を封じ込めることで、幸運をもたらしてくれると考えられてきました。
また陰陽五行説でひょうたんは「金」の気に分類される植物です。強い「金運」をもたらしてくれるといわれています。玄関に吊るしたり置き物を置いたりすることで、金運を招いてくれるそうです。
12:花言葉は「幸福」「利得」「繁栄」
ひょうたんは縁起のよい、多くの花言葉を持っています。花言葉の意味は、その植物を表すシンボルなのです。
ひょうたんのツルは大きく伸びて、房状に実を付けます。そして、種が非常に多い植物です。乾燥した種は耐久性が強く、海水にさらされても高い発芽率を保ちます。「幸福」「利得」「繁栄」「円満」「平和」という意味の花言葉を持っている植物です。また花は夕方から早朝にかけて咲く、夜開性であることから「夢」という花言葉も持っています。