5:地獄の中でも珍しい精神的な責め苦も存在している
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衆合地獄は地獄の中では少し珍しい、精神的な責め苦が用意されているのも特徴。それは未成年に対する邪婬を働いた罪人に課せられるもので、自分自身ではなく自分の子供が鬼によって拷問を受けたり惨殺される様を見せられるという内容です。自分の子供が鬼によって釘で打たれたり、体を切り裂かれたり、とんでもない精神苦痛を与えられます。
それぞれの地獄に存在する小地獄とは?
それぞれの地獄には小地獄と呼ばれる、周囲に細分化された小さな地獄が存在しています。その数は8大地獄も合わせてその数は全部で約150個ほど。大量の小地獄は様々な悪業や、宗教に合わせて地獄が多様化したために生じたと考えられていますよ。
そんな小地獄の主な役目は、大地獄で刑期を終えた罪人にさらなる責め苦を与えたり、地獄から逃げ出した罪人を捕らえるという大地獄の補助的なもの。その存在は初期の経典で8大地獄の概念が成立した時と同じ頃に成立したと伝えられています。
衆合地獄に存在する16個の小地獄
衆合地獄にも16個に細分化された小地獄が存在します。ほとんどが邪婬や性愛に関する罪状で落ちる地獄で、とても具体的な悪事が定められているシビアな世界です。ここからの小地獄のご紹介も、グロテスクな表現が含まれるので閲覧の際はご注意ください。
1:大量受苦悩処(たいりょうじゅくのうしょ):異常な邪婬を行なった人が落ちる
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肛門から火のついた鉾を差し込まれ、生殖器を剥ぎ取られる刑罰を受ける地獄。何人もの獄卒によって大量の鉾を差し込まれるので、鉾の先が目や耳から飛び出たりする強烈な苦痛を味わうことになります。そんな大量受苦悩処には、主に常軌を逸した邪婬や覗き見をした人が落ちるとされていますよ。
2:割刳処(かちこしょ):口淫を行った人が落ちる
口から頭に向けて鉄杭を貫通させて抜き取り、口から耳に向かって鉄杭を貫通させて抜き取る行為を繰り返す刑罰を受ける地獄。加えて口から高温の銅を流し込むことで、内臓や体内の肉や骨を滅却。想像を絶する苦痛を与えられるのが特徴です。そんな割刳処には、口淫を行ったり積極的に性交を行なった女性が落ちるとされています。
3:脈脈断処(みゃくみゃくだんしょ):男性に淫らな行為をした女性が落ちる
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口から灼熱の銅を流し込まれ、内臓を焼き尽くされる刑罰を受ける地獄。大きな筒を口に無理やり挿入し、どろどろの銅を流し込むので苦しくても声を上げることすらできません。そんな脈脈断処には男性に無理やり淫行を迫った女性が落ちるとされています。
4:悪見処(あくけんしょ):他人の子供を凌辱した人が落ちる
体を面裏ひっくり返されて、肛門から高温の鉄を流し込まれる刑罰を受ける地獄。子供がいる罪人は、その子供も死後同じ悪見処に落とされて同じ刑罰を受けることになります。
さらに悪見処では肉体的な苦痛だけでなく、自分の子供が鬼に拷問される様を見せられるという精神的な責め苦も受けるのが特徴。心身共に痛めつけることで、生前の行いを強く罰します。そんな悪見処には、他人に子供に淫行を迫ったり、邪婬を行なった人が落ちるとされていますよ。