鶴は縁起がいいといわれる2つの理由
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日本では鶴はとても縁起がいい動物として知られています。では鶴は縁起がいいといわれるのはなぜでしょうか。ここでは鶴は縁起がいいといわれる理由として中国からの伝来と鶴は長生きだからという2つのポイントから考えてみましょう。
中国から渡来した鶴は縁起がいいという考え方
「鶴は千年、亀は万年」ということわざは日本ではよく知られています。じつはこのことわざは、中国の前漢時代に記されたという古い思想書の中に表記されているそうですよ。この思想書の中の鶴は縁起がいいという考え方が中国から日本へ伝わり、日本でも鶴は縁起がいい生き物といわれるようになったということでしょう。
日本で鶴は古くは「たず」と呼ばれていましたが、平安時代以降「鶴」と呼ばれるようになったそうです。室町時代から演じられるようになった能の演目の中に中国皇帝の誕生日を鶴と亀の面をつけた舞人が祝うというものがあるそうですよ。この縁起がいいといわれる演目からも中国の影響を感じることができるでしょう。
鶴はとても長生きの鳥だから
鶴は千年といわれ長寿の象徴とされていますが、実際に千年も生きるわけではありません。ただ鶴の平均寿命は野生下で20年から30年。動物園などの飼育下では50年から80年生きている個体もあるとか。日本に飛来するツバメの平均寿命は2年、通常の鳥は10年といわれていますから、野生下においても鶴はとても長生きの鳥といえるでしょう。そのため鳥類の中でもとくに長生きといわれる鶴は、その長寿にあやかって縁起がいいといわれています。
鶴がもたらすと期待される3つの幸運
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鶴はとても縁起がいい鳥として知られていますよね。そのため様々な祝い事にシンボルとして使用されています。ここでは縁起がいいといわれる鶴がもたらしてくれると期待される夫婦円満・神様へのメッセージ・長寿祈願という3つの幸運について解説しましょう。
幸運1夫婦円満・鶴は生涯同じ伴侶と過ごすから
鶴は夫婦仲のよい夫婦円満の象徴として知られています。そのため結婚式には定番のモチーフとして知られており、和婚を希望するカップルにとっては欠かすことのできないアイテムとなっているといえるでしょう。和装婚の打掛や色打掛の文様にはツルが使われていますし、水引も鶴の形ですよね。
鶴が夫婦円満の象徴とされている由縁は、鶴のオスとメスが激しいプロポーズの末結ばれると生涯伴侶をかえることがない夫婦鶴といわれているからです。一生を添い遂げる鶴の習性は、末永く添い遂げようとするカップルにとって大切なシンボルともいえるでしょう。
幸運2神様へのメッセージ・天まで届くほどの鳴き声をしているから
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鶴の鳴き声を聞いたことがありますか。澄み渡るような高い鶴の鳴き声は天にまで届くともいわれています。鶴の鳴き声は遠くまで届くため「天に届く、つまり天上界に通じる鳥」といわれるようになったとか。そして日本では古くから鶴の鳴き声は天と地上の私たちをつないでくれると信じられていたために「縁起のいい鳥」といわれるようになったそうです。遠くまで響く鶴の鳴き声は古の人々にとって神様へのメッセージのように聞こえたのでしょう。
幸運3長寿祈願・鶴は鳥類の中でもとくに長生きだから
鶴はとても長生きをする鳥。そのため中国でも長生きのシンボルとされてきました。中国で長寿のシンボルとして大切にされていた鶴は日本でも長寿を意味する鳥として多くの人々から愛されています。
また折り鶴を折ることで長寿を祈願する風習は室町時代から行われるようになりました。その後江戸時代には、長寿だけではなく病気の回復を願って折り鶴を折ることが広く庶民の間に広まったとされています。