阿鼻地獄の5つの特徴
地獄の最下層にありどの地獄よりも過酷な罰が用意されている阿鼻地獄ですが、その具体的な5つ特徴からさらに詳しく解説していきます。想像を絶するような酷い罰も紹介しているので、グロテスクな表現が苦手な方はご注意ください。また、阿鼻地獄は重罪を犯さない限り滅多に落ちる地獄ではないので、日々真面目に生きている方は必要以上に落ちることを心配しないでくださいね。
1:到着するまでに2000年かかる
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阿鼻地獄は地獄の最下層にあるため、頭から真っ逆さまに落下し続けること約2000年でやっと辿り着くとされています。この期間は頭下足上(ずげそくじょう)と呼ばれ、落下の間も苦悩や孤独感に苛まれるため地獄はこの期間から始まっていると言えますね。
さらに落下の間に弱音を吐くと、閻魔大王のもとで働く鬼が現れ叱責を行います。自分の罪がどれほど重いものだったのかを深く懺悔しながら凄まじい地獄へ辿り着くまでの2000年を過ごさなくてはなりません。やがて落下を続けていると既に阿鼻地獄で罰を受けている罪人達の声が聞こえることもあり、恐怖心や苦悩はさらにかき立てられるとも言われています。
2:巨大な鉄の城がある
2000年の落下の後に地獄へ到着すると、7重の鉄で作られた縦横約100万~130万kmの大きさの鉄の城が待ち受けています。この途方もない大きさの城は無間の火城と呼ばれ、あらゆる凶暴な生物や構造で罪人を絶対に逃すことはありません。罪人はここからほぼ永遠に過酷な罰を受け続ける刑期に突入します。
3:他の地獄に比べて一段と罰が苦しい
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阿鼻地獄で受ける罰の過酷さは、他の階層の地獄で受ける全ての苦しみの1000倍と言われています。阿鼻地獄の罰を受けた後なら他の地獄の罰は幸福に思えると言われているほど、その差は大きいようです。
具体的には燃え盛る炎で罪人の体に穴を開け体の真まで焼き尽くす刑罰や、体の皮を剥がされて焼けた土の上に寝かされた上に高温の溶かした鉄をかけられる刑罰や、金鋏で罪人の口をこじ開けて高温の溶けた銅を流し込む刑罰などが存在すると言われています。さらに一度恐ろしい刑罰で死んでもすぐに肉体が蘇るので、永遠に刑罰による死を繰り返さなければならないのです。
4:64個の目を持つ鬼によって管理されている
阿鼻地獄を管理している18人の獄卒は、64個の目を持った世にも恐ろしい鬼だと言われています。大量の目の他にも鋭く長い牙や8つの牛の頭が生えているとされ、かなり怖い容姿であることが想像できますね。さらに大量に生えた角からは猛火が吹き出しているので、近付いただけで死んでしまいそうです。
5:刑期は約350京年
阿鼻地獄の刑期は一中劫(約350京年)とされており、とてもつもなく長い期間でほとんど永遠と変わらないと言えます。ちなみに一劫の長さは100年に一度地上に舞い降りる天女が薄い布で岩を撫で、やがて岩がなくなるまでの期間だとされており、途方もなく長い期間だと言うことが分かりますね。
地獄に落ちないために心がけるべきこと
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死後に苦しい地獄へ落ちないためには、現世で徳を積むことが必要だとされています。徳を積むことが大切なのは世界共通のテーマであると言えるので、目新しい条件ではないでしょう。さらに徳を積むことに加えて、仏教で定められた禁忌を犯さないことも重要になります。より良い来世へ向かうには現世でできるだけ善行を積み、邪なことに手を染めないようにしなくてはなりません。