世界三大宗教の地獄
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世界にはどんな地獄が存在しているのでしょうか。仏教が主流の日本の地獄とどう違うのか気になりますよね。世界三大宗教といわれる仏教・キリスト教・イスラム教とでは、地獄の概念が大きく変わります。世界三大宗教が象徴する地獄を、わかりやすく仏教と比較しながら、宗教別に解説していきますよ。宗教によって変わる地獄の概念は、宗教の特色を色濃く反映しているので、実に興味深いものばかりといえます。
日本の地獄とは
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日本は仏教が主流の国。仏教は世界三大宗教の内の一つであり、人は死ぬと輪廻転生すると考えられています。仏教では人は死ぬとまず、現世での行いを元に行き先が振り分けられ、その行き先は6つ。6つにわかれた行き先が仏教でいう六道(ろくどう)です。六道とは、地獄・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道(人間界)・天上道(天国)で、六道のうちの一つが地獄になります。地獄でも怖いですが、畜生や修羅も名前からして十分怖いですよね。
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仏教ではどうすると地獄行きになるの?
よく悪いことをすると地獄の閻魔王に舌を抜かれるよ!と幼少期に怒られた人も多いでしょう。しかし、仏教での悪いことは現代でいう悪いこととは全くの別物です。仏教の悪いことは、五戒(ごかい)という仏教の根本的な規律を破るということを意味します。五戒は、不殺生(生き物を殺さない)・不妄言(嘘をつかない)・不倫盗(盗みをしない)・不邪婬(享楽に溺れない)・不飲酒(飲酒をしない)をいい、どれか1つでも破ると即地獄行きです…。それが事実だとすると、現代人のほとんどが地獄行きという面白い結果に。
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キリスト教の地獄
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キリスト教の地獄は、仏教の地獄のイメージとは大きく変わります。まず、キリスト教には仏教のように輪廻転生という概念がありません。キリスト教において死後の世界は、宗派によって若干の違いはあるものの、主な概念は天国か地獄(ハデス・ゲヘナ)の3種類のみです。その行き先を決定する基準は、生前の神への信仰心。仏教では生前の行いでしたよね。しかし、キリスト教では神への信仰心を元に天国か地獄かが決まるので、例え生前に悪い行いをしていたとしても、神を信仰していれば天国行きになるのです。
キリスト教の地獄:ハデス編
キリスト教の地獄の内の一つであるハデスは、新約聖書に登場している死者の魂が一時的に行く場所。つまりは、神を信仰しなかった魂が行き着くところです。しかし、ハデスはただの地獄ではありません。ハデスには地獄でありながら、神の救いが存在しているのです。もし仮に、生前に神を信仰しておらず、ハデスに行ったとしても、信仰による神の救いによって、天国に行くことが可能!という、優しい地獄といえるでしょう。信じる者は救われるというキリスト教の教えそのまま反映したといえる場所ですよね。
キリスト教の地獄:ゲヘナ
一方、ゲヘナはハデスと違い優しい地獄ではありません。ゲヘナは、生前に罪を犯した者が行く世界です。ここでの罪とは、神を信仰しなかっただけでなく、神の意に背く行いばかりをし、罪を犯したことを意味します。実際にゲヘナは具体的な地名である「ヒンノムの谷」を語源とする地獄です。ヒンノムの谷とは、エルサレムの郊外にある焼却場で古くは昼夜問わずに様々な物が燃えている場所でした。このことから永遠の裁きの象徴とされ、地獄の名称にもなっています。
イスラム教の地獄
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イスラム教の地獄はジャハンナムといわれ、奈落の底にあり地獄の業火が燃えさかっています。ジャハンナムの奈落の底は非常に深く、底に着くまでに70年はかかるといわれるほど。ジャハンナムに落ちた罪人は、とにかく火攻めに合います。地獄の炎の威力は地上の炎の70倍もあるので、とにかく火によって苦痛を受けるという恐ろしさ。他にも火責めに合っている間に骨を折られたりします。あまりの高熱に一瞬にして罪人は炭になりますが、瞬時に元に戻るので、永遠と苦痛を受け続けなければなりません。