スピリチュアル死について

身近な人の自殺を経験したら?立ち直るための方法・考え方5選、自殺の危険性がある人が発する5つのSOSサインと対処法も友人の自死を経験した筆者がお伝えします

国内の自殺者数は年々増加傾向にあり、家族やパートナー、友人など身近な人の自殺を経験する人も増えています。身近な人の自殺を経験し、大切な存在を失った悲しみや無力感に打ちひしがれたとき、どのような方法・考え方で立ち直れば良いのでしょうか?筆者も親友とも呼べる友人の自死を経験し、深く傷つき苦しんだ時期がありました。自殺は一人の大切な命が失われるだけでなく、周りの人の心にも深い傷を残すもの。この記事では身近な人の自殺を経験した人が立ち直るための5つの方法と考え方、自殺の危険性がある人が発している5つのサインと対処法についてお伝えします。

増加する自殺者数

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さまざまな理由から生きることに希望を見いだせなくなり、自ら命を絶つ行為である自殺。世界保健機構(WHO)の発表によると、世界で40秒に一人のペースで年間80万人もの人がが自殺で亡くなっているそうです。自殺の要因となるのは、貧困や病気、その他大きなストレスとなる出来事によって、心の健康が損なわれた場合国内でも年間3万人もの命が自殺によって失われています。

人間は本来、与えられた命を最後まで全うするために生きているものです。自ら死を選ぶということは、その人がこれ以上生きていることが耐えられないほどの苦痛を感じていたということに他なりません。増加傾向にある自殺について、世界中でさまざまな対策が講じられ続けています。私たちの身近にも、今まさに自殺を考えるほどの苦しみを抱えている人がいるかもしれません。自殺によって尊い命が失われることは、この世界全体の問題であり、私たち自身が身近に考えるべき問題でもあるのです。

身近な人の自殺は心に大きな傷を残す

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自殺は自殺を選んでしまった本人の心だけでなく、その人を大切に思っていた人の心にも大きな傷を残すものです。家族やパートナー、友人の自殺を経験した人の多くは、「もしかしたら防ぐことができたのでは」という後悔の念で自分を責め、自殺を防ぐことができなかった自分の無力感に打ちのめされます。

普通、死別の苦しみは時と共に癒えていくものですが、自殺によって大切な人を亡くした場合、自然死による死別よりも心の整理がつきにくいのです。そのため、近年では自殺を未然に防ぐ対策としてさまざまな相談機関が設けられていると同時に、自殺で身近な人を亡くした人の心のケアを専門とする相談機関も設けられるようになりました。

もしあなたが身近な人を自殺で失った経験に傷ついているとしたら、まず知っておいて欲しいことは、あなたの抱える悲しみや苦しみは、決してあなただけが感じているものではないということです。自殺によって大切な人を失う経験は、それだけ大きく人の心に傷を残す経験だということを理解しておいてくださいね。

身近な人を自殺で亡くした・・・心の傷を癒すための方法・考え方5選

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身近な人を自殺で亡くし、悲しみと後悔、無力感に打ちのめされている時は、どうすればその心の傷を癒すことができるのでしょうか。自殺による死別の悲しみは、人に受け入れられないほどの心の痛みをもたらすものです。ここでは、身近な人の自殺による心の傷を癒し、立ち直って生きていくための5つの方法と考え方についてご紹介していきましょう。

その1.信頼できる人に相談する

自殺によって身近な人を亡くした悲しみには、常に後悔や自責の念が伴います。「あの時、自分がこうしていれば助けられたのに…」と自分を責める気持ちから、死別の苦しみを誰にも打ち明けられずに一人で抱え込んでしまうこともあるでしょう。

しかし、身近な人の自殺によって受けた心の傷は、一人で抱え込めるほど小さなものではありません。心の傷は誰かに打ち明け、話を聴いてもらうことで心が整理され、癒されていくもの信頼できる人につらい気持ちを打ち明け、相談してみましょう

相談する時は「こうすれば良かったのでは」というアドバイスを求めるのではなく、ただつらい気持ちに耳を傾け、悲しみや後悔の感情を受け入れてもらうことが大切です。信頼できる相談相手に、「ただ聴いて欲しい」と打ち明けてみましょう。あなたの信頼する相手であれば、きっとあなたの気持ちを受け止めてくれますよ。

その2.時間が心の傷を癒してくれるのを待つ

大切な人を失った悲しみは、すぐに癒されるものではありません。正直ところ、死別の激しい悲しみは、時と共に薄れていくのを待つしかないのも事実です。自然死の場合は死別の前までに、ある程度の心の準備ができることもあるでしょう。しかし、自殺による死別は多くの場合、突然のお別れとなるものです。突然訪れた大切な人との永遠の別れは、その事実を受け入れれるまでに時間がかかってしまうのも仕方ありません。

時間が心の傷を癒してくれるのを待ち、泣きたい時は思い切り泣いて、つらい感情を発散させましょう。つらくてたまらない時に、無理をして明るく振る舞う必要はありません。時間が経って傷が癒されることで、いつか自然と笑顔を取り戻せる日はやってきますよ。

その3.自分を責めない

身近な人を自殺で亡くした場合、「もっとこうしてあげれば良かった」「助けてあげられなかった」という後悔と自責の念はつきものです。しかしいくら自分を責めたところで、自殺の前に時を戻してやり直せるわけではありません。その時のあなたは、すでに自分にできるベストを尽くしていたのです。自殺で亡くなった相手も、あなたが自分を責め続けることは望んでいなかったでしょう。どうか、自分を必要以上に責めないであげてください。

自責の念にさいなまれるあまり、自分自身を傷つけたくなったり、自暴自棄な行動に出たりしてしまいたくなることもあるかもしれません。しかし、そんな時こそグッと踏みとどまり、あなたを大切に思っていた故人の気持ちに思いを馳せることが大切です。

その4.自殺した相手の冥福を祈る

お葬式や法要には、亡くなった故人の魂を慰めるだけでなく、遺された人の心を慰める役割もあります。亡くなった相手を想い供養することで、その人を失った心の傷が癒すこともできるのです。大切な人を失った直後は、その人の死を心から受け入れることができず、供養をすることもつらいかもしれません。

しかし、その時どきのあなたにできる形で、故人の冥福を祈って供養をしてあげてください故人の笑顔を思い浮かべたり、生前の故人との思い出を思い出すだけでも構いません。供養を続けていくうちに心が整理され、あなたの気持ちも前向きになれる日が訪れるはずですよ。

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