その1.幸せに対する価値観を変えてみる
人は誰しも、幸せになる方法を求めて生きているものです。しかし、具体的にどんな境遇が幸せかは、人それぞれ違うものではないでしょうか。多くの人が幸せだとイメージする状況が、必ずしもあなたにとって幸せだとは限りません。特にうつ病にかかりやすい人は、自分に対して高い理想を持ち、無理な努力をして疲れ切ってしまう傾向があります。
例えば「もっと働いてたくさんのお金を得なければ幸せになれない」「仕事や勉強で良い結果を出さなければ幸せになれない」という価値観に囚われているならば、その価値観が本当に自分の幸せに繋がるものかを、再検討してみる必要があるかででしょう。自分の本当の幸せとは何かを見つめ直してみると、必ずしも高い理想を掲げて自分を過剰に追い込む必要はないと気づけるかもしれませんよ。
その2.これまでのライフスタイルを見直す
うつ病はこれまでの生活で強いストレスを感じ、そのストレスに対して心身が耐えきれないほど疲れ切ってしまった時に発症する病気です。つまり、あなたがうつ病になるまでには、強いストレスを感じるライフスタイルを自分に強いてきたということ。うつ病にかかったことをきっかけに、これまでのライフスタイルを自分にとってもっと快適なものに改善する時期にきているということです。
例えば十分な休息を取る暇もなく仕事や家事に勤しんできたという人もいるでしょう。これからは、自分の心や体が疲れ切ってしまう前にリフレッシュする時間を大切にするライフスタイルに変えてみた方が良いのかも知れません。これまでのライフスタイルを見直すことで、うつ病にかかりやすい自分と上手く付き合っていく道が見つかることもありますよ。
その3.ありのままの自分を受け入れる
うつ病にかかりやすい人は責任感が強く、高い理想に向かって頑張り過ぎてしまう傾向があります。努力することは大切ですが、自分の心をすり減らすほど頑張ってしまうとしたら、それはありのままの自分を受け入れられていない証拠とも言えるでしょう。人は誰しも、全てを兼ね備えた完璧な存在になることはできません。短所や苦手なこと・できないことがあってこその人間です。
ありのままの自分を受け入れるとは、自分の欠点や弱さを否定せず、完璧な存在ではない自分ごと認めてあげること。「完璧な私じゃなくて大丈夫」と思えるようになれば、ついつい頑張り過ぎてしまうこともなくなるはずですよ。
その4.不安や落ち込みは病気の症状と考える
うつ病にかかった人の多くは、「自分はダメな人間だ」「生きていても仕方ない」という強い劣等感や悲観的思考に囚われてしまいます。しかし、そうしたネガティブな感情のほとんどは、うつ病の症状として湧き起こってくるものです。落ち込んだ気分から立ち直れないのは、決してあなたの責任ではありません。風邪を引けば熱が出るように、うつ病の不安や落ち込みは、病気の症状の一つなのです。
不安や落ち込みにさいなまれた時は、「今はこういう症状が強く出ているな」と客観的に自分の症状を観察するようにしてみましょう。ほとんどの不安や落ち込みは、客観的な視点で観察し、経過を見守ることで収まっていくものですよ。
その5.日々の小さな幸せに目を向けてみる
うつ病にかかると毎日から楽しみや喜びがなくなり、世界が色を失ったかのように感じてしまいます。そのため、幸せになることがとても困難だと思えるようになってしまうでしょう。しかし考え方を変えてみれば、人の幸せは特別な良いことがあった時だけ感じられるものではなく、日々の生活の中にふと見つかるものです。「何も良いことが起こらないから、自分は不幸」だと考えてしまう時は、日々の小さな幸せを見つける工夫をしてみましょう。
「朝気持ちよく目覚められた」「散歩をしていたらスッキリした」というように、毎日の生活の中にも小さな幸せを感じられる出来事は見つけられるものです。小さな幸せを見つけ、味わうことができるようになれば、うつ病でふさぎがちな生活の中にも希望が生まれていくでしょう。
うつ病を転機ととらえ、新しい幸せの形を創造していこう
うつ病にかかると、これまで当たり前にこなせていたことができなくなったり、気分が激しく落ち込んで「自分はもう幸せになれない」という悲観的な思考にとらわれてしまったりします。しかし、うつ病にかかってしまったからといって、必ずしも幸せになる道が閉ざされてしまうわけではありません。うつ病になるまで頑張ってしまった自分を労わり、これからは自分に対して優しい生活に改善することで、これまで以上に幸せな生活を実現していくこともできるのです。うつ病になったことを一つのきっかけと捉え、これまでとは違う新しい幸せの形を創造していきましょう。人はどんな境遇にあっても、その時の自分にとって幸せな人生を探し、叶えていく力を持っているのです。