グノーシス主義とは?異端な宗教運動?3つの特徴からスピリチュアリストの筆者がわかりやすく解説 – Mistory[ミストリー]
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グノーシス主義とは?異端な宗教運動?3つの特徴からスピリチュアリストの筆者がわかりやすく解説

『グノーシス主義』という言葉を聞いたことがありますか?キリスト教と同じ時期に地中海で繁栄した宗教運動です。かなりスピリチュアルなキーワードなので、グノーシス主義になじみのない方のほうが多いかもしれません。そこで今回は、グノーシス主義を4つのポイントからわかりやすくスピリチュアリストの筆者が解説します。グノーシス主義の歴史や考え、最高神などに関しても詳しくまとめているので、宗教や異国のスピリチュアルに興味のある人はぜひチェックしてみてください。

グノーシス主義・グノーシス派とはわかりやすくいうと「宗教思想・宗教運動」

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グノーシス主義とは、1〜3世紀頃にパレスチナやシリア、エジプトをはじめとする地中海を中心に繁栄した宗教思想・運動です。キリスト教と同じ時期に発生しその活動は盛り上がりを見せます。4世紀を迎えるイランで誕生した派生宗教のマニ教は残りましたが、徐々に衰退していきました。『グノーシス』はギリシア語で『知識』を意味する言葉で、その名前の通り救済は知識によってもたらされると考えられているのです。また、現在も存在しているマンダ教は、グノーシス主義の派生宗教といわれています。

そんなグノーシス主義には、世界が光と闇の対立原理で成り立つとする二次元論的な「イラン・マニ教型」と、光が闇の領域に存在するとする次元が曖昧な 「シ リア・エジプト型」の大きな2種類が存在。キリスト教と同じ時期にパレスチナのエルサレムという同じ場所で生まれた思想であることも大きな特徴です。キリスト教とグノーシス主義は一見相反する思想ですが、実は同じ土壌をベースに複雑に共通点を持っている関係の深い思想同士と考えられています。

参考:キリスト教的グノーシス主義 松田央氏
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853649580341376

グノーシス主義

ギリシャ語の『グノーシス(知識・認識)』を語源とした宗教思想・運動。人間には神のかけらが宿っており、その霊的存在が肉体に堕落したと考える。特別な知識を身につけ、それに従うことで救済を得ることが可能。真の神は世界を創造した神ではなく、天界に存在しているする。物質的な世界は悪だとし、高次から授かるグノーシスで救われる。イエス・キリストの神性を信仰し、人間的な部分には否定的。

参考:Amazon Web Services 『22.グノーシス主義とは何ですか?』
https://odnmedia.s3.amazonaws.com/files/J2220161020-060919.pdf

参考:Gnosticism World History 『Gnosticism』
https://www.worldhistory.org/Gnosticism/

グノーシス主義・グノーシス派はなぜ異端な存在であった?

グノーシス主義・グノーシス派は、異端な世界観を持つ宗教として広く知られています。その理由は救済という概念をメインとしつつ、そのプロセスが知識であったためです。当時人間は至高の存在である神の一部だと考えられることが多い中、グノーシス主義はそんな神の存在を蔑視する傾向であるため、異端であると考えられても不思議ではありません。

またグノーシス主義には、物理的な現実の世界は偽りで人間は本当の居場所である天界に帰らなくてはならないという考えがあり、神であるキリストが創造した世界を偽りとする点でも異端扱いされました。これは、信仰の対象である真の神と、この世界を創造した神は別の存在であるという考えがベースとなっています。

参考:レファレンス協同データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000249221&page=ref_view

グノーシス主義には最高神が存在する?

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グノーシス主義には、ギリシア語で世界・世代を意味する『アイオーン』という名前の最高神が存在します。そもそもグノーシス主義では神の世界と現実の宇宙的世界の2つが存在している二元論が信じられており、神の世界を統治する最高神と現実の宇宙的世界を創造した神の2つが存在すると考えられているのです。そしてキリスト教やユダヤ教が信仰している神は偽りものもであるとしていました。

また、アイオーンは男性と女性が対になっている両性具有の神で、『プレーローマ』という高次の世界に存在しているとされています。アイオーンは複数存在し、イエス・キリストは数あるアイオーンの中でも位が高い存在であるという考えもあるようです。また、私たち人間を含む生物が暮らす現実である宇宙的世界を創造した神は、アイオーンの低位の神『アルコーン』と呼ばれています。地上の支配者であり堕落した物理世界の創造神『デミウルゴス』は悪魔であり、第一のアルコーンと位置付けられました。

参考:キリスト教的グノーシス主義 松田央氏
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853649580341376

グノーシス主義に登場する主な存在

  • モナド
    グノーシス主義における一者の神。光の根源

  • アイオーン
    モナドから流出したグノーシス主義の最高神

  • アルコーン
    低位の神で物理的な宇宙を創造し支配する

  • デミウルゴス
    宇宙や人間性を物理的に創造した低位の神、悪とされる存在で第一のアルコーン

  • プレローマ
    全体的な神の力、物理的な世界の上方に存在する永遠的な光の領域

  • ソフィア
    神の女性的な側面とキリストの伴侶とされ、最も低位のアイオーンともいわれている

グノーシス主義を3つの特徴からわかりやすく解説

ここからは、グノーシス主義を3つの特徴から詳しく紹介します。グノーシス主義は誕生も派生も考え方も複雑な宗教運動です。起源やそれぞれ細分化した宗派に関しても研究が進んでない部分もあります。現在わかっている以下のポイントからグノーシス主義の概要を理解していきましょう。

1:肉体を罪悪視する禁欲的な傾向を持つ

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グノーシス主義では、霊的世界が善であり、物質的世界が悪であるという考えが基本になります。そのため、低位である物質的な世界に属し、やがて死をむかえる肉体は悪きものであると考えられたのです。これは、グノーシス主義がこの世を物質と高次の2つに分け、霊肉の二元論で考えているから。霊は聖なる純粋な存在である反面、肉体は悪しき堕落した罪深いものとされています。

また、この世に生きる人間が罪悪性を孕んでいるのは、肉体を持っているからであると考えられました。人間が肉体を脱し魂の救済を実現するために、グノーシス主義は禁欲的な導きが多い傾向にあります。物質世界から浄化され魂は初めて救済されると考えたのです。

参考:キリスト教的グノーシス主義 松田央氏
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853649580341376

参考:【出口学長・日本人が最も苦手とする哲学と宗教特別講義】 現代の知の巨人が語る!「Q資料」「ナグ・ハマディ文書」「グノーシス主義」とは?
https://diamond.jp/articles/-/303294?page=3

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