バーナム効果とは?6つの活用方法やメリット・注意点を心理学に詳しい筆者が解説!
- バーナム効果とは?わかりやすくいえば「一種の心理的効果」
- バーナム効果はフォアラー効果と呼ばれることもある
- バーナム効果の例とは?例えば「占い」や「おみくじ」など
- バーナム効果は論文や血液型診断でも用いられる?
- バーナム効果とプラシーボ効果は違う?
- バーナム効果と確証バイアスも似ている?
- バーナム効果の6つの活用方法!日常生活・恋愛・マーケティングなど
- 1:占いの文章などに活用する
- 2:診断やおみくじなどの結果に活用する
- 3:恋愛関係を築く際に活用する
- 4:ビジネスシーンで活用する
- 5:マーケティングで活用する
- 6:周囲の信頼を獲得するシーンで活用する
- バーナム効果を使う・受けるメリットとは
- バーナム効果を活用する際のポイント
- ポイント1:情報収取を徹底的に行う
- ポイント2:主語を「あなた」や「私」などに限定する
- ポイント3:ポジティブな表現を積極的に用いる
- ポイント4:信頼性と権威性こだわる
- バーナム効果を使う際の注意点
- バーナム効果は上手く活用できれば便利!日常に活かしてみよう
この記事の目次
バーナム効果とは?わかりやすくいえば「一種の心理的効果」
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バーナム効果は、不特定多数の人が「自分に当てはまっている」「自分の特徴と一致している」と物事を感じてしまう一種の『心理的効果』です。不特定多数に向けたアドバイスや文章などに用いられることが多い心理的効果で、私たちも知らず知らずのうちにどこかで触れたことがあるでしょう。この効果は言葉を発した相手や、文章の作り手への信頼や関心を築かせます。
この心理的効果は、米国の心理学者であるポール・E・ミールによって確立されました。バーナム効果という名前は、興行師として成功を収めたアメリカ人興行師のP・T・バーナムに由来しています。P・T・バーナムの「誰にでも当てはまる何かがある(We’ve got something for everyone.)」という言葉が、バーナム効果のベースとなったのです。
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バーナム効果はフォアラー効果と呼ばれることもある
アメリカ人心理学者のバートラム・フォアラーは、バーナム効果が定義付けされる以前の1948年に、バーナム効果と同様に「前向きでで信頼性があり、曖昧で捉え方が幅広い内容を、人々は自分にだけ該当すると思い込んでしまう」という現象を心理テストで実証していました。その後の1956年に、同じく心理学者のポール・ミールが自身のエッセイでこの「心理的な効果」をP・T・バーナムにちなんで『バーナム効果』と名付けたため、バーナム効果という名前が広く知られるようになったのです。そのため、一部ではこの心理効果を『フォアラー効果』と呼ぶこともあります。
バーナム効果の例とは?例えば「占い」や「おみくじ」など
バーナム効果がわかりやすい身近な使用例は、占いやおみくじです。誰にでも当てはまりやすく、不特定多数が共感できるようなバーナム効果をしっかり取り入れた文章が占いやおみくじでは用いられています。なんとなく自分に当てはまる、感情移入しやすい表現や言葉で占いやおみくじを利用した人の心を掴むことができるのです。ビジネスシーンやマーケティングにおいて使われることも多く、広告業界でも人の注目を集める心理効果として多用されています。
バーナム効果を利用した占いの文章や広告の文言を読むと、人は「自分を理解してもらえている」という感覚を持ち占いや広告の発信源に信頼を抱きやすくなるでしょう。
バーナム効果は論文や血液型診断でも用いられる?
バーナム効果は、論文や血液型診断などにも用いられます。論文においては、読み手の心を掴み、論文の内容に同意してもらえるようにバーナム効果を利用することが多いでしょう。導入部分に用いれば、読み手は論文の内容が自分個人に当てはまっていると強く感じるのです。また、血液型診断においてもバーナム効果はよく使われています。A・B・AB・Oのそれぞれの血液型における特徴をバーナム効果を用いて文章にし、診断を受けた人が「自分だけに該当する結果だ」と感じる結果を作成するのです。
血液型診断におけるバーナム効果の具体例
- A型:誠実で几帳面、頑固な一面がある
- B型:自由奔放で独創的、利己的な一面がある
- AB型:クリエイティブで行動的、人見知りな一面がある
- O型:おおらかでカリスマ性が強い、だらしない一面がある
バーナム効果とプラシーボ効果は違う?
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バーナム効果は、プラシーボ効果と同じように「人間の思い込み」が要因で引き起こされると考えられています。プラシーボ効果は思い込みで物理的・心理的な作用を実感できる心理的効果で、医療でも用いられる非常に有用な効果です。発生する仕組みは似ていますが、実感する効果や用いられ方は異なります。プラシーボ効果の具体例として有名なのは、「有効成分を含まない偽物の薬を本物の薬と思い込んで飲むと、症状の改善がみられる」というものです。
このプラシーボ効果の背景には、人間の強い思い込みによる暗示や自然治癒力が関係していると考えられています。
バーナム効果と確証バイアスも似ている?
確証バイアスは、「自分が既に感じていた・予測していた物事や、既に立てていた仮説、あらかじめ持っていた先入観などを肯定する情報だけを集めてしまう」というバイアスのこと。そしてバイアスとは、強い思想や思い込みで思考が偏ってしまう現象を指します。つまり確証バイアスも、バーナム効果と同じように「思い込み」によって発生する人間の傾向なのです。しかしバーナム効果と確証バイアスは、同一のものではありません。分かりやすく言えば、確証バイアスによってバーナム効果が引き起こされます。
自分に都合の良い情報集め、自分に都合の良いことだけを信じる確証バイアスが、バーナム効果の発生には必要不可欠なのです。