アダルトチルドレンからの回復方法2つ
アダルトチルドレンは機能不全家族のもとで育った人をさす言葉であり、病名や診断名ではありません。そのため現状から回復していくためには薬などでの治療ではなく、認知行動療法などで思考の癖を変えていく必要があります。かんたんに変えられるものではありませんが、「過去ではなく今を生きるんだ」という強い意思を持つことで着実に回復への道を歩めるでしょう。
方法1.インナーチャイルドを癒す
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インナーチャイルド(内なる子ども)は幼いころからの思考パターンや本来の自分を意味する言葉です。過去のトラウマなどによりインナーチャイルドが傷ついていると、大人になってからも生きづらさを感じると言われています。そのためインナーチャイルドを癒すことがアダルトチルドレンからの回復につながるとされているのです。
まずは過去を振り返ってみましょう。「過去のどんなことがつらかったのか」「本当はどうしたかったか、どうされたかったか」などを書き出してみてください。このとき「こんなことを言ってはいけない」などといった思考や思い込みが邪魔してくるかもしれませんが、過去に抑圧してきた気持ちを素直に吐きだすことが大切です。
過去の記憶から自分の本音を探ることで現在の生きづらさや苦しさの原因が見つかるはず。時間がかかってもいいのでゆっくり自分と向き合いましょう。
方法2.専門家を頼る
前述のとおり、アダルトチルドレンという言葉は概念や状態のことで病名ではありません。しかし過去のトラウマによりさまざまな精神障害を引き起こす可能性があります。
主なものは、うつ病・PTSD(心的外傷後ストレス障害)・不安障害・適応障害・境界性パーソナリティ障害などです。こうした病気を発症しているのであれば適切な治療が必要となります。もしひとりで抱えきれないほどのつらさや苦しさを感じている場合は、心療内科などを受診してみましょう。
また病気でなかったとしてもなかなか自分と向き合えない場合は、カウンセリングを受けることが回復の近道となるかもしれません。
自分の人生を生きようという意思を持つことが大切
今回の記事ではアダルトチルドレンとなる原因やタイプごとの特徴・回復方法について解説いたしました。アダルトチルドレンはそれぞれ生きづらさを抱えて過ごしています。まずは自分が心に傷を負っているのだと自覚することが重要です。
アダルトチルドレンは人に頼るのが苦手な傾向にあります。苦しさを抱えていてもなかなか周囲の人に理解されないことも多いかもしれません。しかし回復していくためにはそこで諦めず「現状を改善しよう」「自分の人生を生きよう」という意思を強く持つことが大切です。
つらく寂しい幼少期を過ごした分、これからの人生が少しでも明るいものとなりますよう祈っています。