人生の悩み心や体

感情がコントロールできないのはなぜ?5つの原因と対処法・考えられる病気についてメンタルヘルスに詳しい筆者が解説

対処法1.深呼吸して6秒数える

目の前の相手に激しい怒りを感じたときはつい怒鳴りたくなってしまうこともあるかと思います。しかしそこでぐっと我慢してみてほしいのです。

アンガーマネジメントという怒りをコントロールする方法の中に【6秒ルール】というものがあります。これは衝動的な怒りを抑えこみ、理性で怒りをコントロールするという方法です。怒りを感じるとアドレナリンが分泌されますが、6秒後には分泌量のピークを過ぎるため失われていた理性が戻ってきます。

かっとなっても感情のままに怒りをぶつけるのではなく、深呼吸しながら6秒数えてみてください。完全に怒りが消えるわけではありませんが、いつもより冷静に対処することができるはずです。

対処法2.自分のルールを作る

なかなか感情をコントロールできない場合は、自分がどんなとき感情的になってしまうのか考えてみましょう。そしてどうすれば冷静でいられたのかについてもあわせて考えてみてください。

もし白黒思考のような極端な考え方をしている場合は、選択肢や答えは「白か黒か」の2択だけではないと認識し「自分にも他者にもグレーであることを許す」というルールを作っておくとよいでしょう。グレーであることを許すというのは「意見が合わなければ敵、合うなら味方」のように考えるのではなく、「意見が合わなくてもいい」と考えるようにするということです。

感情的になる原因がストレスなら「嫌なことが5回あったら誰かに愚痴を聞いてもらう・自分へのご褒美を買う」など、過度にストレスを溜めないためのルールを作るといいかもしれません。自分にあったルールを考えてみてくださいね。

対処法3.十分な休息をとる

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日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短いことが分かっています。OECD(経済協力開発機構)「Gender Data Portal 2019」のデータによると日本人の睡眠時間はOECD加盟国の中で最も短かく、平均8時間以上である国が多いのに対し日本の平均睡眠時間は7時間22分だったようです。

睡眠不足は体調にもメンタルにも不調をきたします。気持ちを安定させるためにも十分な休息が必要です。すぐに毎日の睡眠時間を増やすことは難しいかと思いますが、「一週間のうち2日はいつもより一時間早く寝る」などしっかり休むということを意識してみましょう。

対処法4.適度な運動を心がける

人はストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。このコルチゾールの分泌量が慢性的に多くなるとうつ病や不眠症の一因になるとされているのです。

しかし運動を行うことでこの分泌量が整えられていきます。運動は体にとって一種のストレスとなりますが、その適度なストレスに体が慣れていくことでコルチゾールの分泌量自体も減っていくのです。さらに適度な運動は精神を安定させる働きのあるセロトニンの分泌を促す効果もあります

なかなか感情をコントロールできない場合は、軽い運動を習慣にしてみるとよいでしょう。長く続けることで精神面の強化も期待できます

感情のコントロールが難しくなる病気4つ

感情をコントロールできない原因や対処法についてお伝えしてきましたが、対処法を実践しても全く効果がない場合は病気が原因である可能性も考えられます。精神的な症状が出やすい病気を以下に挙げておりますので、当てはまるものがないかチェックしてみてください。原因を見つけるための参考となりましたら幸いです。

1.PMDD(月経前不快気分障害)

女性であればPMS(月経前症候群)という言葉は聞いたことがあるかもしれません。PMSは月経が始まる3日~10日前に現れるだるさやイライラといった心身の不調のことですが、PMDD(月経前不快気分障害)はPMSの症状の中でも精神的な症状が強く出る病気です

月経が始まると症状が軽くなったり普段の精神状態に戻ったりしますが、つらい場合は自己判断に留めず医療機関での受診をおすすめします

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