原因1.過去に傷ついた経験がある
両親からの虐待や学校でのいじめなど、過去に傷ついた経験があると「人から嫌われないようにしなければならない」という強迫観念を抱いてしまうことがあります。またいじめとまではいかなくとも友人から仲間外れにされた経験があったり、常に他人と比較される環境にいたりする場合もそれがトラウマとなってしまうことがあるのです。
周囲からはささいなことに思えても誰かの一言でひどく傷ついてしまうこともあるでしょう。そうした経験から他者との交流に恐怖感を覚えてしまいます。「人に嫌われるのが怖い」という感情は「傷つきたくない」という思いから生まれるものです。
原因2.自己肯定感が低い
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自己肯定感が低いことも原因のひとつです。自己肯定感は「自分を価値ある存在として認知し、受け入れようとする感情」のことで、そのときの状況によって高くなったり低くなったりします。
しかし前述のように過去に傷ついた経験があると自己肯定感が低いままの状態になってしまうことがあるのです。実際には周囲の人と同じくらいの能力を持っていたとしても、ありのままの自分を認めることができません。
自分自身が自分を認めていないため「周囲の人にも自分はだめな人間だと思われているのでは…」と不安な気持ちを抱えてしまうのです。そうした思いは恐怖心として現れ「人に嫌われるのが怖い」という感情を引き起こします。
原因3.承認欲求が満たされていない
承認欲求が満たされていないことも原因のひとつです。承認欲求には2種類があるとされています。ひとつが「自己承認欲求」もうひとつが「他者承認欲求」です。
自己承認欲求は「自分で自分を認めたい」という欲求のことでスキルや能力を高めることで理想の自分に近づこうとします。一方、他者承認欲求は「他者に自分の価値を認めてもらいたい」という欲求のことで、人から評価されることで自分の価値を見いだそうとするのです。
人から嫌われるのが怖いと感じている人は他者承認欲求が強くなっています。他者からの評価ばかり気にするのではなく、自分自身を認めていかなければ根本的な解決にはなりません。2つの承認欲求が満たされることで自信がつき、嫌われることへの恐怖心も解消されるでしょう。
嫌われるのが怖いと感じるときの対処法3つ
嫌われるのが怖いと思っている人は「みんなから嫌われないための行動をとろう」と頑張りますが、必ずしも「人に嫌われない行動=人に好かれる行動」ではありません。嫌われないために相手の顔色をうかがってばかりいても信頼関係を結ぶことはできませんし、味方は増えていかないのです。
たとえ同じ職場やコミュニティに長くいても親しい人ができなければ、ずっと「人から嫌われる恐怖感」と戦いながら過ごさなくてはなりません。ここからは「嫌われるのが怖い」と感じてしまう場合の対処法について見ていきたいと思います。
対処法1.自然体でいられる相手との時間を大事にする
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無理をして苦手な人や嫌いな人と過ごしていると自己肯定感が低下していきます。まずは自然体でいられる人との時間を大切にしてみましょう。「嫌われるのが怖い」と思っている人が自然体でいられるということは、嫌われる心配がないほど親しかったり心から信頼できる人であったりするはずです。
そうした人と本音でのコミュニケーションをとりながら、少しずつ自己肯定感を取り戻していきましょう。「自分は自分のままで人に受け入れてもらえる」という感覚を持つことが重要です。
対処法2.考え方は人それぞれだと理解する
思考や感情は人それぞれ異なっているものです。ある人には迷惑だと思われることでも、ある人にとってはありがたいと思われることもあります。つまりあなたが人に嫌われないためにとった行動でも、相手からすると不快に映ってしまうこともあるのです。
「嫌われるのが怖い」と思っている人は、人から嫌われた場合「自分に非があった」と感じてしまいます。しかし、万人から嫌われない方法というものはありません。もし相手が不機嫌になったり距離を置かれたとしても「自分とは考え方が合わない人だったんだな」と割りきることも必要です。