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初夢に関わる伝統の縁起物6選!富士・鷹・茄子など意味と由来も精神世界研究者の筆者が解説

2.鷹:上昇志向のシンボル

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鷹という鳥は賢く強く、大空に舞い上がる様に鋭い爪で獲物をつかみ取る様子からたいへん縁起のよいものと考えられています。上に上がることで運気上昇・立身出世、つかむことでチャンスをものにする、世の中の荒波を力強くわたって上の地位に就こうとする人の夢を体現するかのような生き物ですよね。徳川家康の領地内で富士山の次に高い山、愛鷹山(あしたかやま)に因み初夢の縁起物の第2番目に鷹を持ってきたという話もあります。

3.茄子:初物は高額

なぜか初夢を見る頃と季節感のずれている縁起物が茄子。茄子はもともとインド原産の南国野菜で、日本では千年以上の栽培実績がある人気抜群の食品です。実は江戸時代から温室を使った促成栽培が行われていて、一年中入手可能な現代のようにはいきませんが、本来の季節よりずっと早く食べることができたのだとか。もちろん相当な高額商品であったことは想像に難くないですね。

縁起物としての茄子は高級野菜であることと「(事を)成す」をナスにかけて語呂合わせを楽しみます。こちらも徳川家康のお膝下、駿河の国(今の静岡県)で多く栽培され、家康公の好物だったこともあって初夢の縁起物に選ばれたという説も紹介されているのです。

4.扇:末広がりの形

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お正月のようにおめでたい時には人の集まるイベントを催して楽しむ機会もありました。芸者衆などの踊り手が華やかに舞台を務める時欠かせない小物が色とりどりの扇です。普段使いから舞台の小道具まで出番の多い扇を初夢で見ると素晴らしい一年が約束される気がしてきませんか?しかも開いて逆さに置くと末広がりでこれ以上おめでたい形もありません。子孫繁栄や商売繁盛の意味を持つとされていますよ。

5.煙草:必ず登っていく煙

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煙草が初夢の縁起物に入っているのはその煙が上に向かっていくからです。運気上昇のシンボルとして初夢に現れると夢見がよいとされました。今と違い古代では薬草として扱われてきた煙草は男女の別なくたしなむ人も多い嗜好品でしたよね。医学の発達した現代では煙草を縁起物に選ぶことに戸惑いもありそうですが、あくまでも縁起物!実際に吸う人も吸わない人も初夢で煙草の煙を見たら運気が上がることを信じましょう。

6.座頭:坊主頭との語呂合わせ

江戸時代に確立された盲人男性の生活を保護する社会制度の中の身分のひとつが座頭。ハンデのある人たちを助ける為に、琵琶・琴などの奏者、マッサージ師などの職業につくことが保障されていたのです。見た目はお坊さんのように髪を剃っていた為「毛がない(怪我ない)」の語呂合わせで縁起がよく、初夢の縁起物にも数えられていました。家内安全や無病息災などの意味を持ちます。

初夢と縁起物が出てくる話

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初夢の縁起物を考える時にそれらに因んだお話を参考にすると頭に入りやすいのではないでしょうか。おすすめしたいのは落語の「初夢」という一席。縁起をかつぐ商家の旦那さんと、語呂合わせで旦那さんのご機嫌を上手に取るお宝売りとの掛け合いが軽快で面白く、筆者も大好きな話のひとつです。何度聴いても笑顔になれる初夢と縁起物の落語で江戸時代の雰囲気を感じながら当時の風物を楽しく学ぶことができます。

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