4.アイヌ:蛇神信仰が生きている社会
蛇神信仰を持つアイヌにはそれぞれの蛇の種類ごとに神様がいます。「キナシュットカムイ」は日本に生息するもっとも一般的な青大将であり、すべての蛇に君臨する大神。心身の不具合や感情的に落ち着かない女性特有の悩みを夢に現れて治してくれるとされる、本当にありがたいスピリチュアル世界からのエネルギーです。
5.日本:米作と信仰
農耕信仰と深い関わりがある日本の蛇は米の神と水の神とタッグを組んで、よい田んぼを作ってくれるといわれています。脱皮をすることからも蛇は命を与え育むスピリチュアルな存在としてたたえられ、蛇神信仰も、日本人には欠かせない米作り社会で生み出されたものです。
シマヘビやアオダイショウなど割と身近な場所に生息する、毒を持たない蛇の抜け殻を見つけたことはありますか?蛇の抜け殻をお財布にしまっておくと金運・財運上昇のお守りになると昔から言い伝えられているのも日本らしい風習。本当に財産が増えるお願いがかなうかどうかは別にしても、そうそう入手できないレアなアイテムには霊的なパワーも宿っているはずですよ。
6.中国:人をだます生き物
中国では蛇が表すスピリチュアルな意味は邪悪、ずるさとこびへつらい。善良な人をあの手この手でだまそうと蛇に姿を変えて近づいてくるのが悪魔であり、精霊であり妖精と信じられています。執念深さ、ずる賢さを持ちながら下手に出て、人の心の隙間に入り込もうとするやり方を蛇の化身と見立て、注意喚起を怠らないようにしているようです。
7.ネイティブアメリカン:部族の守り神
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北米大陸では南西部の部族に蛇とのスピリチュアルな関わりが見られます。蛇を儀式に用いる理由はまず、狩りの時安全に山歩きができるように守護神としての願掛け。それから脱皮をする習性から生と死を意味し、ヒーリングパワーを持つ生き物として必要に応じ蛇を儀式に用いていました。
砂絵のデザインや現存する岩に蛇の姿を刻んだものも多く残っていることから、一部のネイティブアメリカンにとっての蛇は部族を守ってくれる縁起のよい存在であったといえるのです。
蛇はミステリアスだけれど悪者ではない
見た目や習性からつい怖さが勝って悪い方へ想像力を働かせてしまいがちな爬虫類、蛇。邪悪さや狡さを代表するかのような固定観念を持っている人も多いのではないでしょうか。実際蛇がスピリチュアルに象徴する意味は文化によってさまざまですが、ほとんどの場合が変化と再生です。蛇のスピリチュアルパワーは同時にヒーリングパワーも発揮するもの。静かで賢い生き物なので、現実に見かけたり夢に現れたりする蛇はあなたが未来志向で前向きに生きたい願いをかなえ、大事な人生で変化の時を教えてくれる存在なのです。