黒羽蜻蛉(ハグロトンボ)が神様トンボと呼ばれる3つの由来とは?
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神様トンボといわれる羽が黒いトンボを見たことがある方も多いでしょう。この神様トンボの正式名称は羽黒蜻蛉(ハグロトンボ)といいます。オスもメスも真っ黒な羽を持っていますが、とくにメスは体全体も真っ黒。オスは体の部分が少し緑色をしています。ここではとても神秘的な姿をしたハグロトンボが神様トンボと呼ばれるようになった由来について解説しましょう。
羽を休める姿が人が手を合わせる様子に似ている
ハグロトンボが神様トンボという別名で呼ばれるようになったのはハグロトンボの飛び方と止まっているときの様子にあるといわれています。ハグロトンボは赤とんぼなどと違ってゆっくりと優雅に美しく羽を動かしながら蝶のように飛び、止まるときは羽を蝶のように合わせていますよね。
この神秘的なハグロトンボが蝶のように止まっている姿を見た古の人々には、神様が手を合わせているように見えたのでしょう。
お盆の時期に田んぼに姿を見せるから
ハグロトンボは、7月中旬から飛び始め8月中旬のちょうどお盆の頃に多く見ることができますよね。ちょうど旧盆の頃に飛ぶ神秘的なハグロトンボ。そのためハグロトンボはご先祖様の化身ともいわれるようになったとか。ハグロトンボが家の中を見回すように一周して出ていくと、ご先祖様が戻ってきた証といわれていますよ。
またハグロトンボは成長期には林などの薄暗い場所を好みますが、成熟期には水辺へと戻ってくるという習性があります。ハグロトンボは水田などに戻ってくると水田などに生息する害虫を食べてくれますよね。水田を手入れしている農家の人々にとっては神様のような存在であったといえるでしょう。そのため神様トンボと呼ばれるようになったともいわれています。
殺生はよくないことと子供に教える神様トンボ
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ハグロトンボはトンボの中でも大きめの体をしていますが、ほかのトンボのようにすばしっこくはありません。ハグロトンボは止まっているときでも飛んでいるときでも子供がすぐに捕まえられるといわれています。そのため子供でも殺生することができるというわけですね。
古の人々はきれいで美しく神秘的なハグロトンボは、「神様のお使いだから殺してはダメだよ」と子供たちに教えたといわれています。子供たちに無益な殺生をすることを戒め、命は大切なものだということを教えていたといえるでしょう。
海外では縁起が悪いものとされるトンボ
日本では縁起がよく幸せの象徴といわれるトンボですが、海外ではどのように考えられているのでしょうか?じつは海外ではトンボは「魔女の針」や「悪魔の針」とも呼ばれていることを知っていますか。剃刀の刃のように見えたトンボはとても縁起の悪いものとされたようです。
またトンボの形から空飛ぶヘビやドラゴンというイメージがあり、あまり良いイメージは持たれていないようですね。悪魔と密接な関係にあるといわれるトンボは、海外では縁起が悪いといわれているといえるでしょう。国や文化・地域が違うことで同じ生きものでもイメージが異なることには驚かされます。
トンボのモチーフをデザインしたグッズで幸運をつかもう
日本ではトンボはとても縁起がいい生き物として古くから大切にされてきました。そのため現在でもトンボのモチーフをデザインしたアクセサリーなどが多く愛用されていますよね。海外ではあまり良いイメージを持たれていないトンボですが、日本人の文化の中ではとても大切な縁起物。アクセサリーだけではなく最近ではネイルアートで楽しむ方もいるようですよ。可愛いものや素敵なものがたくさんあるトンボのグッズを身に着けることであなたにも幸せがやってくかもしれませんね。