蝶は海外でも縁起がいい
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蝶が縁起がいいといわれるのは、日本だけではありません。海外でも蝶は縁起がいい生き物として親しまれています。海外での蝶は幸運のシンボル。結婚式の際には、butterfly weddingcakeといられる蝶をモチーフにしたウェディングケーキが大人気です。
ギリシャでは、亡くなった愛する人の化身といわれ、蝶は愛の象徴とも考えられていますよ。他にも、海外で縁起いいといわれる理由をいくつかご紹介しますね。
中国では「長寿」のシンボル
中国語で蝶は「ディエ」と発音します。ディエは老年を意味する「耋」という言葉と同じ発音のため、蝶は長寿という意味を持つようになりました。加えて、蝶の持つ華やかな美しさは、縁起がいいという象徴となり、花に寄り添う蝶は、愛情溢れる円満な夫婦に例えられますよ。
他にも、中国で信仰される蝶の美しさや縁起のよさは、中国戦国時代に栄の蒙で生まれた、思想家であり作家でもある荘子によって「胡蝶の夢」という有名な小説にもなっています。蝶の美しく儚い姿を人の一生に例えた名作です。
古代ギリシャ神話のアモールとプシュケー
2000年以上前に書かれたギリシャ・ローマ神話からも、蝶は縁起がいいものであったと知ることができます。美の女神アフロディーテの息子であるアモール。プシュケーはアフロディーテが嫉妬するほどの美貌の持ち主でした。二人は恋に落ち、様々な困難を乗り越え、プシュケーが神になることで結ばれるという美談です。
話の中に蝶という言葉は一切でてきませんが、ギリシャ語でプシュケーには、蝶や魂という意味が。そのため、プシュケーが彫刻や絵画で、蝶の翼を持った女性として描かれることが多く、蝶を擬人化したプシュケーは神であり魂の聖なる象徴となっています。
キリスト教では「復活」
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実際に聖書に蝶は載っていませんが、唯一絶対神であるGod(神)を信仰するキリスト教では、口伝やギリシャ神話の影響を受け、蝶は復活の象徴と考えられています。イエスキリストは十字架にかけられ命を落とした後、復活する際に、蝶がそのことを伝えるべく人々のいる場所へ舞い降りました。
その蝶の向かう先についていくと、亡くなっていたはずのイエスキリストが生き返っていたという話があるそうです。この話から、キリスト教では蝶を見ると、一度失ったものが再び蘇る復活の象徴として広まったとされていますよ。
インディアンの間では「変化」・「喜び」
スピリチュアルの世界に大きな影響を与えているインディアンの間でも、蝶は縁起がいいものとされています。インディアンの間では、蝶は変化・喜びの象徴。蝶の訪れは終りと始まりを意味し、同じだった状態は終り、新しい旅が始まると考えられています。
変化といえば、ネガティブな方面に捉える方もいますが、インディアンの間で変化はとてもよいもの。蝶のもたらす変化は前向きなもので、これから多くの幸せが来る嬉しい予兆とされています。幸福のシンボルである蝶は、インディアンジュエリーにも多くデザインされていますよ。
蝶は見かけた場所やシーンによってメッセージが変わる
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世界中で縁起がいいとされる蝶ですが、蝶を見かけた場所やシーンによって意味が変わるといわれています。もしも、神社を参拝した際に蝶が寄ってくれば、それは神様があなたを歓迎してくれている印。自分と相性のよい神社であることのサインですよ。お墓参りの際に、蝶を見かけたなら、それはご先祖様が見守ってくれているという意味に。
また、死んだ蝶や死骸を見かけるのは、一見すると不吉なイメージですが、違います。死んだ蝶や死骸は、大切な誰かの身代わりになってくれている証ですよ。