そもそも龍とは?
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龍とは、古来より霊獣として知られている生き物です。神様と人の橋渡しをしてくれている存在ともいわれ、神聖な生き物でもある龍は、時には神格化され、箱根の九頭龍大社や長野県の戸隠神社などに祭られています。また、東洋では蛇のように長い胴体を持っているのが特徴で、神聖な生き物ですが、西洋では認識が正反対。
東洋の龍は非常に神聖なものであるのに対し、西洋の龍はドラゴンです。ドラゴンは悪の使いとして登場することがほとんとで、存在悪。同じ龍ではありますが、住んでいる国によって認識が大きく異なります。
どこから伝わった?
龍は中国から伝わり、中国でも非常に神聖な生き物とされています。特に中国で龍は皇帝などの位が高い人のみが使用できるシンボルとし、天子と龍神を結び付けることで、皇帝の権力を民へ知らしめていました。そのため、龍にも階級があるとされ、龍の爪の本数によって階級を象徴しています。
5本爪の龍が一番階級の高いもので、皇帝のみが使用できるもの。その下の4本爪は貴族、3本爪は民衆と3つの階級にわかれていました。現代でも縁起のよい置物としても有名な龍ではありますが、龍によって爪の本数がまちまちとなのは、龍の階級が影響しているのです。
龍が縁起がいいといわれる理由
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龍が縁起がいいといわれる理由は、様々な龍に込められている意味によるものです。昇龍は上昇を意味するや、龍が手にもっている如意宝珠がいろんな願いを叶えてくれる、青龍は可能性に満ちた生命力に溢れているなど、龍が象徴している意味にほぼ悪いものがありません。
そのため、龍は非常に縁起のよいものとされ、置物や絵画などにし、自宅に飾るという人が多いのです。また、風水においては、龍は全ての運気が上昇するともいわれるので、開運できる風水グッズとして人気を集め続けています。
龍の種類は?
縁起がいいといわれる龍ですが、様々な種類があるといわれます。その種類は東洋だけでなく、西洋を合わせると50以上にも。その中から、現代の日本にも浸透している思想や、神格化され祭られている龍をいくつかご紹介しますね。
思想や龍の色などによっても意味がかわるので、縁起物として風水や開運グッズとして取り入れる際、パワースポットとして足を運ぶ際に、是非参考にしてみてくださいね。
四神思想
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町の平和のために、日本でも平安時代から盛んに取り入られているのが四神思想。読んで字のごとく4つの神様を祭る思想です。北は玄武、西の白虎、東の蒼龍に南の朱雀と実際に京都の町はこの四神思想によって守られています。その四神思想の中いる龍が蒼龍ですよね。
蒼龍は、本来は中国の四海龍王の中の東海龍王・敖廣(ごうこう)と呼ばれる龍です。青という名前がついていますが、ここでの青は現代でいう緑色。五行で対応しているのは「木」で季節は「春」を司るのです。そのため、割り当てられている方角も「東」になります。
五行思想
五行思想も中国から伝わったもので、そこにも龍が当てはまります。五行思想は万物を創世している火・水・木・金・土を基にしたもの。その五行思想に基づき5色に対応した龍がいます。色は青・赤・金・黒・白の5種類。簡潔いうなれば、四海龍王に一色プラスされたものが、五行思想の龍といえます。
対応している方角や色、それぞれが持つ特徴をご紹介しますね。実際に五行思想に基づき、龍を祭っている田無神社もあるので、龍からパワーを貰いたい!という方は参拝してみるのもよいでしょう。
<金色で中央を司る金竜>
最高位の龍で皇帝神に当たり5本の爪を持っている。
<赤色で南を司る赤龍>
南海龍王では敖欽(ごうきん)の名前で、太陽から生まれ全身が真っ赤。怒ると炎を吐く。
<白色で西を司る白龍>
南海龍王では西海白龍王・敖閏(ごうじゅん)の名前で、天上界で天帝に使えている神獣。
<黒色で北を司る黒龍>
南海龍王では北海黒龍王・敖順(ごうじゅん)の名前で、後ろ足がなく前足2本だけ。水墨画などで如意宝珠を持っている。
<青色で東を司る青龍>
南海龍王では東海龍王・敖廣(ごうこう)の名前で、青といわれるが現代では緑色の龍。