理由1・中世初期のフランスで流行した「エナン」が起源
魔女が必ずかぶっていると考えられているとんがり帽子ですが、じつは14世紀ごろからフランスの一部の地域で上流階級の貴婦人たちの間にファッションとして流行していた「エナン」といわれる帽子が起源とされているそうですよ。
当時はほとんどの貴婦人が円錐形の先のとがった帽子にベールを垂らしていたといわれています。当時の絵画などでもよく見かけますよね。
この帽子が魔女のとんがり帽子の起源とされる理由は「エナン」という言葉が「角」を意味するから。角は悪魔の持つ角をイメージするといわれています。
理由2・尖った帽子の形状が悪魔の角に似ているから
image by iStockphoto
古来より悪魔というと羊の角を持っているとされていました。そのため悪魔の使いである魔女は、角をイメージさせるとんがり帽子を被っているとされたようです。また三角形は角のシンボルと考えられたため魔術を使う魔女にとんがり帽子を被せたのだとか。いづれにしても三角形をイメージさせるとんがり帽子は、悪魔とのつながりを何らかの形であらわすためといえるでしょう。
また以前は異端とされたものや犯罪者に三角帽子を被せていたともいわれています。そのため三角帽子は異端の象徴でもあったともいえるでしょう。悪魔の使いとしても魔女はキリスト教を信じる人々にとって「異端」とみなされていたため魔女は三角をイメージするとんがり帽子を被っているとされたようですね。
こちらの記事もおすすめ
羊の持つスピリチュアルな5つの意味!豊かさ・深く考えるなど宗教や神話での6つの意味を合わせてヒーリング経験のある筆者が解説 | Mistory[ミストリー]
理由3・19世紀以降に魔女の象徴として定着
あなたは魔女の衣装といえばどのようなファッションを想像しますか?真っ黒なマントにドレス、ボサボサの髪につばが広いとんがり帽子ではありませんか?
じつはこの魔女のイメージは、19世紀以降に作られたものなのです。魔女狩りが行われていた中世では魔女の衣装は汚れたボロボロの服だったそうですよ。汚れた服を着ているとされたのは、魔女がさまざまな薬品を使っているからといわれています。
19世紀の初めごろはまだ魔女の衣装も様々だったようですが、19世紀後半から20世紀にかけて子供たちが読む絵本に登場してくる魔女のファッションがそのまま定着したとされているようですね。とくにアニメ映画で登場してくる魔女の衣装が大きく影響したともいえるのではないでしょうか?
image by iStockphoto
現代の魔女のとんがり帽子はフッション?
現代での魔女のとんがり帽子はどのようにイメージされているのでしょうか?日本でもハロウィンの夜にはいろいろな仮装をして多くの人々が楽しんでいますよね。そのなかでも魔女の仮装に欠かせないアイテムがとんがり帽子。黒いマントと箒を持てば魔女になれますよね。
また日本ではとんがり帽子をファッションとして受け入れている人たちもいるとか。とんがり帽子は魔女の衣装として欠かせないものではありますが、現代の女性は決してネガティブなものとしてではなくファッションとして上手に取り入れているようですね。
魔女のとんがり帽子は悪魔のシンボルではなくファッションとして楽しむことができる
魔女といえばとんがり帽子。このイメージは19世紀以降に作られたもの。そして現代では魔女の衣装のひとつとして定着しています。ただ日本では現代の魔女は悪魔の使いというネガティブなものではなく子供たちのアニメのキャラクターになるほど親しまれているともいえるでしょう。そのためとんがり帽子もネガティブなイメージではなく可愛いファッションのひとつとしてとらえる傾向にあるといえるでしょう。